【"100万円"受領の町長に 住民の命と暮らしを預かる資格なし」玄海町長緊急要請報告】

1月27日、脇山伸太郎・玄海町長が建設会社から町長当選祝い金として現金100万円を受け取った問題について、町役場へ行き、緊急要請書を提出しました。
100万円受領の事実経過をすべて明らかにすること、他にも同様の金品受け取りがなかったか全職員と全議員について徹底調査・公表をすることなどを求めました。
関電マネー問題が発覚しても、住民から要請があっても、そして100万円受領が明らかになっても何一つ自ら動こうとしない、玄海町役場の姿勢に唖然とするばかりでした。

●「権限の裏には責任がある」ことを認識せよ
要請書は佐賀・福岡・長崎・大分の16団体が連名し、各地から20人が玄海町に集まりました。
町長本人との面談を求めましたが、対応したのは防災安全課長ら4人。
まず、要請質問書を読み上げの上、提出。
石丸代表から「原発立地自治体の首長には決定権がある。権限の裏には責任があることを認識してもらいたい。原発は放射能が生活の場に降り注ぎ、命と暮らしを脅かす。だからこそ、説明責任を果たすべきだ。町長、町議会が後ろめたいことがないというのであれば、利権のこと、金品の授受をすべて明らかにすべきだ」と今日の要請趣旨を話しました。
町からは「文書回答させてもらう」と、具体的には何一つ答えませんでした。
そして、やりとりの中で、町の無為無策ぶりが露わとなりました。

 

●「町として調査を進めていない」
私達「この事態を受けて、町としてどうするのか、調査をどう進めるつもりなのか」
課長「今のところ、特に指示もなく、具体的に動いていない」
「100万円受領」発覚前の12月2日(反プルサーマルの日の町長要請時)に私達はマネー問題での調査を町に求めましたが、その後回答がないままだと指摘すると、
係長「12/2のやりとりの報告は上司に上げて、町長まで伝わっている。報告書には町長決済の印鑑も押してある。ただ、その後、上からの指示がなかったので…」と言い訳しつつ、私達からの聞き取りメモを読み上げました。
私達「メモだけは随分しっかりとっているんですね~。でも、それを受けてどう動くのか、そこから先があなたたちの仕事でしょう。何もしていないではないか!」

 

●町議会は非公開、議事録もなし
議員9人全員が原発に賛成の議会に対しても、私達は同じ要請質問書を提出しました。
私達「今日午前に町議会は全員協議会を開いたというが、なぜマスコミ含めて非公開だったのか」
課長「全員協議会では、町長が議員に経過を説明した。所管ではないので非公開の理由は知らない。議事録はない」
私達「密室で何をしているのか分からない、そういう姿勢が不信感を増幅させるのだ」

 

●「天下の恥さらし」
玄海町で原発反対行動を50年以上続けてこられた仲秋喜道さんは「71年に町長以下13人が逮捕された原発汚職事件以来、なぜ天下に恥をさらし続けるのだ」と糺しました。また、各地からの仲間が発言も相次ぎました。
玄海町長は町民はもとより、全国の人々の命と暮らしを預かっている責任の重さを認識し、まずはすべてを明らかにすることです。
利権を断ち切ることができず、住民への責任を果たせない町長に、玄海原発稼働に同意する資格もありません。同意撤回をすべきです。


緊急要請質問書
原発立地の首長として「権限と責任」をはき違えないでください
"100万円"受領の町長に 住民の命と暮らしを預かる資格なし

2020年1月27日

玄海町長      脇山伸太郎 様
玄海町議会議長 上田 利治 様

 

 1月23日、脇山町長が福井県の建設会社「塩浜工業」から町長当選祝い金として現金100万円を受け取っていたことが発覚した。昨年来、関西電力の原発マネー問題が報じられてきた中で、「玄海でもか」と憤りを禁じえない。
 
 報道によれば、町長は「賄賂をもらったような気分だった」、「政治資金規正法も問われれば仕方がない」、「(関西電力の報道がなければ)人間だから使っていたかもしれない」 「脇が甘かった」などと述べた。
 なぜ、受け取りを拒否しなかったのか。なぜ、ただちに返却しなかったのか。昨年9月に関電問題が発覚した時に、なぜ何も対処せず、公表もしなかったのか。
 町長自ら「賄賂」と発言しているように、違法行為の疑いは濃厚である。

 

 そもそも原発事業は立地当初からあらゆる産業が関わり、膨大な利権の中で推進され、腐敗の温床ともなってきた。今回の問題を機に玄海町は原発マネーに関するすべてのことを公表すべきである。
咋年12月2日に私たちは役場にて「関電事件のような業者からの金品の受領はなかったか?」と調査回答を求めたが、今日まで回答を得ていない。
 本日、町議会では全員協議会を開き、町長が説明をするというが、なぜ非公開で行うのか。不信の念はますます強まるばかりだ。

 

 原発はひとたび大事故を起こせば放射能をまき散らし、取り返しのつかないことになると東京電力福島第一原発事故から学んだのではなかったのか。その犠牲を真摯に受け止めなければならない。
 原発稼働の同意権を持っている玄海町長は、町民はもとより、全国の人々の命と暮らしを預かっている立場と責任の重さを認識すべきである。

 

 九州電力は玄海原発の使用済み核燃料について、リラッキングと乾式貯蔵施設建設を進めようとしているが、玄海の地が永久に核のゴミ捨て場になりかねない。また、今年9月にはプルサーマル運転の3号機から危険な使用済みMOX燃料が出てくるが、この処理方法は何も決まっていない。
 これら原発の重大な問題のたびに町長の判断が迫られる。住民の安心した暮らしが失われないよう、原発マネーで間違った判断をしないよう強く求める。


【要請事項】

(1)今回の100万円受領問題について、事実経過をすべて明らかにすること。

(2)今回の件以外で、原発関連業者などからの金品受領について、町役場の全職員と全議員に
  ついて、徹底調査の上、公表すること。

(3)玄海原発稼働同意を撤回すること。


【質問事項】

(1)なぜ、受け取りを拒否しなかったのか。なぜ、ただちに返却しなかったのか。

(2)塩浜工業は2014年8月以降、年末年始は岸本英雄前町長に挨拶に訪れ、玄海原発テロ対
  策施設の工事に参入したい趣旨の話をしていたという。岸本氏の後継として支援を受けて町
  長に当選した脇山氏が、選挙応援までした同社のことを「知らなかった」というのはあまりに不
  自然である。塩浜工業の選挙応援は誰が窓口となり、どのように対応したのか。

(3)2019年9月27日の関電の原発マネー還流事件発覚後、町役場でどのような調査をしたの
  か。しなかったのであれば、なぜか。

(4)本日、町議会では全員協議会を開き、町長が説明をするというが、なぜ非公開で行うのか。


※ 以上、1週間以内の回答を求める。

 

あしたの命を考える会/今を生きる会/玄海原発対策住民会議/玄海原発反対からつ事務所/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/脱原発電力労働者九州連絡会議/たんぽぽとりで/怒髪天を衝く会/東区から玄海原発の廃炉を考える会/陽だまりたんぽぽの会/福岡で福島を考える会/プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

連絡先団体:玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

ダウンロード
20200127百万円受領玄海町長要請●.pdf
PDFファイル 294.2 KB

◆報道

◆NHK01月27日 16時32分
玄海町長 議会に初めて説明
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20200127/5080004905.html
◆サガテレビ2020/01/27 (月) 20:23
「住民の命と暮らしを預かる資格なし」玄海町長を市民団体が批判 徹底調査求める
https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2020012701880
◆RKB 1月27日(月) 19時34分
玄海町長100万円受領説明~全員協で追及
https://rkb.jp/news/news/51363/