【佐賀県副知事に面会、「再稼働同意撤回を!私たちは被ばくしたくありません!」と直接訴えました】

11月9日、山口祥義佐賀県知事に対して玄海原発再稼働同意の撤回を求める要請を行いました。
4月24日の知事同意を許さないと、私たちは知事への直接面会を求めてきたところ、今回やっと副島良彦副知事との面会が実現しました。許された面会時間は15分、面会人数は6人(2人ずつ×3団体)までという制約の中、私たちは訴えてきました。

石丸初美代表は「原発は放射能の問題。これまで何度も要請や質問をしてきたが、納得のいく説明があっていません。私たちは一体、佐賀県民なのでしょうか。納税者なのでしょうか。私たちもその一人だと私たちは思っています。それなのに、私たちは切り捨てられたとしか思えません。
去年の知事回答(2016年2月2日付)に『被ばくは最小限に抑えるもの』とあったが、『被ばくはしません』ということではなくて、『我慢してください』ということですか。知事は『再稼働はやむを得ない』と言ってきたが、被ばくは仕方ないってことなのか。なぜ一企業のために被ばくしなければいけないのか、それを覚悟しなくてはいけないのか。覚悟も被ばくしたくありません。回答をいただきたい」と訴えました。
玄海原発反対からつ事務所の北川浩一代表、プルサーマルと佐賀県の100年を考える会の野中宏樹共同世話人からも、被ばくを県民に強いることに対しての県の姿勢を追及しました。

副知事は「県民の安全を第一で考えるという姿勢は終始一貫してきた。4月24日の知事の表明は熟慮に熟慮を重ねた結果。その後も、みなさんからの意見には真摯に向き合っていきたい」「要請書の内容は、なるべく早い時期に回答させていただきたい」と、これまでの県の説明をただただなぞるだけでした。
前日までに県に対して要請・質問内容を伝えているのに、また、面と向かってこちらの気持ちを伝えているのに、中身のある言葉で何も答えてもらえませんでした。

県は面会を打ち切ろうとしましたが、石丸代表は力を込めて訴えを続けました。
「今回の面会にあたり『誠意ある面会が成立しない場合は時間内であっても面会を終了します』と県から伝えられた。私たちの方こそ、県に誠意を持って対応していただいているとは思えないことが多々あった。
私たちは、事故が起きれば、佐賀の大地、有明海、玄界灘はどうなるのかと心配で、行動しているだけ。副知事にも、子ども、愛する人がいるでしょう。その人たちがどうなるんですか。誰が考えても分かりますよ。
私たちは、3.11後だけでも今日までに58通もの要請質問書を佐賀県知事あてに提出してきた。何日もかけて真面目につくってきた。それなのに、何者か!みたいに扱われてきた。県庁の玄関先で対応されたこともあった。いい加減に受け止めてくださいよ。
これは命の問題です。命のことを「やむを得ず」ということで済まされるのか、その回答をしてください。『住民の安全が一番』って言われるならば、原発はもう終わりにせんばなかね、っていうことを言うてください。
私が、なんでこがなおばちゃんがこがんして言わんばいけんとですか。私は物理のことは分かりませんよ。分かりませんけれども、命のことは一番大事と思っています。ぜひ、真面目に私たちの言葉を受け止めてください。よろしくお願いいたします。」

副知事は「ご意見はしっかり承りました」と言うのが精一杯で、退室していきました。
山口知事の下、県民の命を軽視する佐賀県の姿勢が、またあらわになりました。
それでも、いや、だからこそ、私たち一人ひとりが声を上げ続けていかなければなりません。

今回の要請事項には、避難訓練の総括と対策、安定ヨウ素剤の全県民への事前配布、原子力災害対策検討委員会の設置、専門家委員会の恒常的な設置などを列挙しましたが、すべて命を守る最低限の責務として佐賀県がただちに取り組むべき課題です。
また、火山灰濃度100倍問題、神戸製鋼データ改ざん事件、行政訴訟における国の地震動データ改ざんなど、問題が噴出しています。
再稼働を遅らせ、止めるために、県、市、町、国、九州電力に対して、行動を起こしていくのは、“未だ”再稼働されていない“今”しかありません!

 


要請・質問書   

玄海3・4号機の再稼働同意の撤回を求めます 

2017年119 

佐賀県知事 山口祥義  

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 

玄海原発反対からつ事務所 

 

山口祥義佐賀県知事は以前から玄海3・4号機について、「安全性の確認と住民の理解が得られたら再稼働はやむを得ない」と発言してきました。知事は4月24日「県民の理解も全体として得た」として同意を表明しました。しかし県内5会場の県民説明会において発言は一人1分以内され不安」や「安全性への疑問」に対して国も九電も回答にはならない発言に終始しました。不満の声にも耳を傾けず、時間が来たと質問打ち切られました。どの会場紛糾したことは同席していた山口知事も副島副知事も承知と思います。参加者のほとんど再稼働に理解などしていませんでした。県民の多くはこの説明会があことさえ知らずにいのが現実です。 

 

また、30キロ圏のうち、県内1市、県外3市の市長と、30キロ圏外でも2市長、計が反対する中での再稼働同意です。長のは住民の声です。住民を無視したことになるのです。 

 

知事は知事選直後に馬渡島を視察した際に「一番の心配は原発事故だ」と不安を訴える住民に対して「気持ちは分かる。そこは大丈夫」と応じたそうですが私たちも離島訪問して馬渡島、神集島、加唐島の皆さんの話を聞いてきました。「事故があったら逃げられん」「逃げても原発に向かって行かな「原発はないのがいい。我々の意見を言うところがなか」と、島民の多く真剣心配の胸の内を話してくれました。島民の不安は消えていません。知事は同意判断の前に、事故が起きれば真っ先に被害を受ける離島の人たちに丁寧説明の場を設けなければいけなかったのではないですか。 

 

私たちはこれまで自分たちの命と生活を守るために、未来も安心できる世の中であってほしいと、要請・質問書何度も出してきましが、安心できる回答はりませんでした。 

原発の問題はエネルギーや経済の前に命の問題です。山口知事の再稼働同意はあまりにも無責任と言わざるを得ません。 

 

以上の理由で、玄海3・4号機の再稼働同意の撤回を求めるとともに、以下の要請と質問いたします。 

 

要請質問事項 

 

玄海3・4号機の再稼働同意の撤回を求めます 

 

知事は県議会の容認決議を「県民理解」と再稼働同意の根拠としました。また、広く意見を聴く委員会専門部会、GM21ミーティングなどで県民から広く意見を聞いたといますが、県民からの不安や疑問の声に対して、中身のある回答や説明をしてきませんでした。知事の責務とし以下のことをただちに取り組むことを求めます 

 

1.私たちは放射能による被ばくしたくありません 

私達の「“被ばくを前提とした避難計画”ということを認めるのですか」という質問に対して、知事は2016年2月2日付の回答で「被ばくを前提とするかしないか、ではなく、住民への放射線の影響を最小限に抑えるための考え方、とされています」と述べました唐津市長も2017年11月1日付回答で「『被ばくしない』という考え方をとっておりません」と述べました。知事も市長も県民への被ばくを容認しています。 

なぜ九州電力という一企業の起こす事故のために、私たちは被ばくしなければならないのでしょうか。私たちは納得していません。納得できる回答をください。 

 

避難訓練の課題 

月3・4日に行われた原子力防災・避難訓練について、どのような問題が課題として浮かびあがりましたか。また、その改善策を具体的に県民に明らかにし、再稼働前に対策を講じること 

 

安定ヨウ素剤の事前配布 

安定ヨウ素剤について、高齢者、障がい者などの希望者に限定せず、離島をはじめ30キロ圏の全県民へただちに事前配布すること。 

 

.原子力災害対策検討委員会(仮)の設置 

避難計画の策定には当事者の声を反映させる必要があります。原子力災害対策検討委員会(仮)恒常的に設置して、医師・看護師、高齢者・障がい者福祉施設職員、保育園・幼稚園・学校の教職員、消防団、第一次産業に携わる人たちや一般の住民の中から幅広く委員を募り、実際的な議論を行い実効性のある原子力防災・避難計画を策定すること。 

 

専門家委員会の恒常的な設置 

原発の安全性、避難計画、住民の健康影響などについて、原子工学、地震・火山、医学、放射線、環境、災害情報、倫理、経済、幅広い分野から、原子力に慎重な立場の方を含めた専門家を構成メンバーとする専門委員会を恒常的に設置すること。 

 

(2)原発に関する県民の声を無視しないで、誠意ある対応をしてください 

 

原発の問題は住民一人ひとりの命と健康と人権の問題です。だから私達は声をあげてきました。しかし、これまでの知事の対応は、質問への回答が4か月もかかったり、要請書を受け取るだけで話し合いに応じなかったりでした。誠意ある対応を求めます。 

 

1.市民からの要請や質問等に対して、すみやかに回答してください。 

 

2.文書回答だけでなく、直接の面談を求めます。 

 

  以上


ダウンロード
2017年11月9日 佐賀県知事宛要請書(副知事面会)
要請:玄海3・4号機の再稼働同意の撤回を求めます
20171109知事要請(副知事面会)●.pdf
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