【「ウソをつかない」との知事との約束を早くも反故に!火山灰濃度の規制も社内規則ですり抜け? ~再稼働突進を許さない!九州電力本店交渉報告】

 

7月26日、私たち玄海裁判の会など12団体は九州電力本店と交渉を行いました。

昨年12月14日の前回交渉以来、回答の場を待たされ続け、知事同意後最初の交渉となった今回、九電に対して、「民意を受け止めよ!審査と避難計画に欠陥ある玄海原発を動かしてはならない」と再稼働中止をあらためて求めました。6項目の質問(25細目)もあわせて突き付けました。

質疑を通じて、九電自らが謳う「コンプライアンス(法令順守)」はどこへやら、住民の安全・安心を蔑ろにし、理解も得られていないのに再稼働をますます強引に進める経営最優先の姿勢が次々と露わになりました。

 

(1)社長指示「コンプライアンスカード携帯」が守られず=知事との約束が破られた!

6年前の"やらせメール事件"を踏まえ、山口祥義佐賀県知事は2年前の就任直後に瓜生道明社長と面談して九電が「ウソをつかない」ことを約束させました。再稼働知事同意直前の4月19日、瓜生九電社長は「コンプライアンスとは法令順守だけでなく、社会に迷惑をかけないことだ。コンプライアンスカードを全社員に常時携帯させている」と知事に説明しました。知事は「九電は"変わった"と確認」したそうです。

そこで、私たちは交渉の冒頭、「コンプライアンスカードを携帯していると思いますが、見せてください」と求めました。対応した九電エネルギー広報グループ課長ら5人は、お互い顔を見合わせました。

「...今は持っていません...」

なんと、誰も持っていなかったのです。

「財布にいれてあるが、今は持っていない」などの言い訳もありました。

「では、どんなことが書いてあるか、概要を言ってもらえますか?」

「・・・」

5人はまた顔を見合わすばかりで、誰も内容を言えませんでした。

社長の知事との約束が「口約束」で、いとも簡単に破られていたのです。私達は呆れかえりました。

知事の向こうに住民がいます。九電の住民軽視の姿勢がまた一つ露わになりました。

 

(2)火山灰評価濃度100倍問題、"社内規定"で規制すり抜け?

火山灰評価の濃度が現状の100倍規模になる問題では、玄海原発においても基準となる参考濃度が限界濃度を大きく超えていること、非常用ディーゼル発電機が2台しかないことは基準違反となる問題について質しました。

九電は「国の動きは承知しているが、基準はこれからの話。また、ディーゼル発電機については一定期間だけは1台でもいいという、適用除外の社内規定があり、それは国に説明して認可してもらっている。2台ともずっと健全でないとダメだという話ではない」と答え、「社内規定」で規制をすり抜けようとしました。これでは「規制」の意味がまったくなくなってしまいます。社内規定の公開を求めましたが、応じませんでした。

この問題は全国の市民団体とともにさらに追及し、再稼働の中止と申請のやり直しを求めていきます。

 

(3)玄海3号機上蓋未交換は全国唯一!

米国で腐食劣化が報告された原子炉容器上蓋。全国の加圧水型原発で玄海原発3号機だけが上蓋を改良型に交換していません。交換計画を持っていたのに、3.11をはさみ、計画はうやむやになり、再申請もしないままに再稼働に入ろうとしています。

「自主的な交換であり、予防保全だ。現在も問題があるとは考えていない。交換時期は未定だ」とのらりくらりの対応に終始しました。どこまでも安全性軽視の九電でした。

 

(4)重大事故時の放射能放出量「4.5テラベクレル」="安全神話"

住民説明会でも紛糾した「放射能放出量=4.5テラベクレル」という過小想定について、「格納容器が壊れない」「水素爆発は起きない」「水蒸気爆発は起きない」「地震に襲われてもポンプ、電源車の移動に支障なし」などが前提条件となっていることを確認しました。説明会で山元取締役は「想定外でないようにいろいろやっている」と言っていましたが、結局、都合の悪いことはすべて想定外にしているのです。福島原発事故から何も学ばず、いまだに"安全神話"の中に安住している九電の姿勢は許されません。

 

(5)加害当事者意識のない要援護者避難"支援"

説明会でも質問の相次いだ避難問題では、説明会で山元取締役が「要支援者に何かあったら九電が助けに来ます」などと発言していたことについて質しましたが、「支援する」としながら加害当事者として具体的な手立てを示しませんでした。

 

(6)"住民理解"など関係なく再稼働強行

最後に、説明会等での住民理解・地元同意の問題について問い質しました。

私達「住民説明会では再稼働に賛成・反対の意見はどのぐらい出たか」

九電「住民理解は当社からは何も言えない。いただいたご意見を真摯にうけとめ、今後の事業活動にいかしていく。」

私達「どんな意見が出たと、九電として把握したのか。」

九電「それは言えないが、社内で共有した。」

私達「山元取締役は"皆様のご理解がなければなかなか動かせないということも事実だ"と会場で述べた。すべて再稼働に反対・慎重の意見だったが、住民が理解したと言えるのか?」

九電「1つ1つ丁寧に答えしたと思っている。これからもしっかりコミュニケーション活動を継続させていただく」

住民は再稼働に理解などまったくしていないのです。しかし、そんなことと関係なく、何が何でも再稼働するのだという九電の姿勢が露骨に示されました。

 

(7)引き続き、九電の酷さを糺し、再稼働中止を求めていく

ちなみに、九電交渉などの行動の際、私達はパソコンや動画カメラを使用して記録をとっていますが、いつも2時間以上にわたるため、九電の部屋の会議室の電源を、許可を得て借りてきました。しかし、今回初めてそれを断られました。唖然としました。

「電源は自分で持ってくるのが常識ではないか」とまで言われました。

「なぜそのような態度をとるんですか!」私達は口々に声をあげました。

すると、担当者はシブシブ「今日は許可しますが、次回以降、検討させてください」と。

再稼働が迫り、ますます市民に対して威圧的な姿勢になっているようでした。

 

立場違えど話し合いを重ねていくごとに信頼関係は深まっていく、のが普通だと思うのですが、「フェイス・トゥ・フェイス」をキャッチコピーにする九電とは、顔と顔をあわせるたびに、溝がどんどん深まっていっています。

このような金儲け最優先の一企業に私達の命の安全をゆだねるわけにはいきません。

この実態を自治体、マスコミ、何よりも地域住民にどんどん広め、再稼働を遅らせ、そして中止に追い込んでいきましょう! 


 

【九州電力グループ コンプライアンス・カード】
倫理的責任・法的責任
◆あなたや上司、同僚の判断や行動は・・・
 ①自分の良心に反していませんか?
 ②自分の家族や友人に胸を張って見せられますか?
 ③地域社会との信頼関係を損ないませんか?
 ④自社の理念・行動規範に沿っていますか?
 ⑤法令に違反するおそれはありませんか?
私たちは、社会との信頼を築き、コンプライアンスを推進します。
**************************************
・社長と知事の約束は下記→
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00354806/index.html


再稼働反対の民意を受け止めよ

審査と避難計画に欠陥ある玄海原発を動かしてはならない

2017年7月26日

九州電力(株)代表取締役社長  瓜生道明 様

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会

今を生きる会/原発知っちょる会/風ふくおかの会

戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会

たんぽぽとりで/東区から玄海原発の廃炉を考える会

福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

 

 

【 要 請 】

2017年1月18日、原子力規制委員会は、九州電力玄海原子力発電所のうち、3号機および4号機について、発電用原子炉の設置変更許可申請を認めました。つまり、国は、それぞれの施設がいわゆる新規制基準に適合するものとして、その運転を認めたということでした。

 しかし、玄海原発3号機・4号機は、昨年4月の熊本地震のデータを調べた地震学者島崎邦彦氏(元、原子力規制委員長代理)が、規制審査で使われた手法が間違っていると発表したとおり、基準地震動の評価値は明らかに過小評価になっています。繰り返し襲う地震評価をしないなど、そもそも地震や津波などの基準に問題があることは、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準を定める規則に不適合で動かしてはなりません。また、重大事故に際して、原子炉格納容器の破損及び工場等外への放射性物質の放出を防止するために必要な措置がとられていないことも、さらに炉心溶融が著しく進んでしまった場合に、放射性物質の拡散の抑制するための設備を完備していないことも設置許可基準規則に違反しています。つまり、原子炉だけでなく、核物質全般の取扱いを規制する法律である「原子炉等規制法」の基準にも適合していないのです。

九電は、この玄海原発に対して、過酷な重大事故に対する必須対策である「免震重要棟」や「フィルターベント設備」など、既に建設されてなければならない施設が未だ猶予されたまま、しかも、ランクの低い緊急時対策所に変更して建造しようしています。また、海外の原発業界を揺るがせた「原子炉及び周辺機器の炭素偏析問題」や「原子炉の上蓋部分の対策」などについて、きちんと調査も対策もせず、金属の経年劣化から起こるかもしれない事故の危険性もそのままに放置しています。このような不備は決して許されてはならないことです。

さらに、この安全性に問題のある玄海原発に対し、原子力防災・緊急時避難計画は、弱者、要援護者を間に合わなければ屋内退避などで見捨ててしまうような実効性のない計画です。これは、単に計画を担当する行政責任の問題ではなく、事故を起こす可能性を甘く見て対策を疎かにしている事業者である九電の責任です。故に、今年2月~3月に行われた佐賀県・福岡県・長崎県の住民説明会への参加者たちは、こんな状況では、「住民は原発を動かすなと言っているのです。避難で支援を受けねばならないような電気は拒否します」と声を上げたのです。

玄海原発30キロ圏の4市長3議会(伊万里市長、壱岐市長・市議会、松浦市長・市議会、平戸市長・市議会)と、さらに2市長(神埼市長、嬉野市長)が、再稼働反対を公式に表明しています。7月15日玄海原発から最短8.3キロの位置にある新松浦漁協組合員らが66隻の漁船による再稼働に抗議する海上デモを原発周辺の沖合で実施しました。

このような民意を無視した再稼働強行は許されません。九州電力に対し、私たちは、新規制基準審査および避難計画に欠陥だらけの玄海原発を絶対に動かさないように求めます。

 

 

【 質 問 】

 

(1)住民理解・地元同意について

地元同意について、前回交渉時に「再稼働にあたっては地域の方々に安全対策についてご理解いただき安心していただくことが何より重要であり、今後もフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション活動を続けていきたい」と繰り返し述べました。しかし実際は、安全だという話を一方的に繰り返すばかりで、住民の不安や疑念、再稼働反対の気持ちに対してまったく耳を傾けていません。

 

①佐賀県、長崎県、福岡県の11ヵ所で行われた再稼働住民説明会において住民は「理解・安心」しましたか。住民から再稼働に賛成・反対の意見はそれぞれどのぐらい出ましたか。九電として住民の意見をどのように集約したのか一覧を示してください。

②「再稼働反対」の意志表明をした6市長3議会に対して、貴社は直接説明し、理解と同意を得たのですか。

③山元取締役は武雄説明会で「やはり地元の皆様と同意とか同意なしとか、そういうことじゃなくて、御理解を得て動かしたいと、御理解がなければ、なかなか動かせないということも事実でございます」と発言しました。再稼働への理解がないのに、なぜ動かせるのですか。

④7月15日、新松浦漁協の漁業者が原発前で海上デモを行い、「再稼働に真っ向から反対を貫き通す。海の生活を永遠に守り抜くために抗議する」と意思表明しました。

瓜生社長は6月28日の記者会見で漁業者のデモについて「重く受け止めるが、漁協のみなさんが何を不安に思っているのか、まだピンとこない。そのへんは抗議文を見ながら判断させてもらう」と発言しました。漁民、住民のこれまでの様々な形での意思表明に「ピン」ときていなかったのでしょうか。漁業者の行動を受け止め、再稼働を中止しないのですか。

⑤東京電力は放射能汚染水の海洋放出を続けていますが、貴社としては事故時に放射能汚染水の海洋放出を同様に行うつもりですか。

⑥貴社にとって「お客さま」である住民がこれだけ反対の声を挙げても、「市民の総意」として市長や議会が意思表明しても、貴社は再稼働を止めようとしません。一体どうしたら、再稼働を止めてくれるのですか。

 

(2)重大事故時の放射能放出量「4.5テラベクレル」の計算根拠と条件

①前々回、前回とも回答を拒否した、この計算根拠と条件を具体的に明らかにされたい。

②鳥栖説明会での「住民への健康影響はどうなるのか」との質問に対して、国は会場で回答できず、後日、県ホームページに「健康影響が生じる可能性は極めて低い」「福島でも放射線による健康影響の有意な発生率増加は予想されない」と文書回答が掲載されました。福島県民健康管理調査の結果では、福島で小児甲状腺がんと診断されたのは何人でしたか。なぜ「健康影響の可能性は極めて低い」と言えるのですか。

③原子力規制委員会の「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」には、「これ以上の規模(100テラベクレル)の事故が起こらないことを意味しているわけではない」と書いてありますが、九電のパンフレットにある「水素爆発は起きないため、建物は壊れません」「事故が起きてもすぐに避難する必要はありません」の表記は、安全神話そのものではないですか。撤回を求めます。

④最悪の場合の住民への健康影響についてのシミュレーション結果を示してください。

⑤山元取締役は唐津市説明会において「想定外でないようにいろいろやっている。想定外をよく考え、科学的に考え、本当にそういうことかということをしっかり根拠を理論立ててやった後で、それを想定の中に取り込んでいくということで今回の規制基準はなされた」と述べました。想定外を想定内にしたいのなら、専門家や市民から指摘されている安全に関わる問題について、すべて対策をとるべきです。

この放射能放出想定をはじめ、「水素爆発は起こらない」「水蒸気爆発は起こらない」「放射能汚染水対策なし」など都合の悪いことは全部想定外にしていませんか。



(3)要援護者の避難について

原発事故時に最も過酷な状況を貴社から押し付けられるのが要援護者です。

佐賀説明会において「佐賀県作成の原子力防災の手引きに、要支援者の避難について『個別計画を申し出のあった場合に作成する』と記載されている。九州電力も自治体任せにせず、少なくともすべての要援護者にヒアリングをするべきではないか」との質問がありました。

山元取締役は「福祉車両を21台、3月中に配備する計画としている。その福祉車両は九電社員が運転し、その方の自宅に行き避難のお手伝いをする」「川内原発では毎年事前に理学療法士による基礎的な知識や必要最低限の実技の指導を受けている。要支援者には何かあったら九電が助けに来ますという事でできる限り要支援者の方と対応させていただいている。当然玄海も同じようにやっていく。訓練を通じて足りないところはいっぱい出てくるので、実効性の向上という事で問題点を洗い出して継続的な改善に努めていく」と回答しました。

①福祉車両の配備はもう実施されましたか。配備状況を教えてください。

②何人の九電社員が要支援者の避難を担当されるのか、人員体制も教えてください。

③玄海原発30キロ圏内の要援護者の数は何人で、福祉車両は何台必要ですか。加害当事者として当然把握されていると思いますので、お答えください。

④現在までに川内では何人の社員が指導を受け、何人の要支援者と対応してきたのでしょうか。玄海についても同様にお答えください。また、洗い出された問題点はどのようなものがありますか。

 

(4)3号機原子炉容器上蓋未交換問題

加圧水型の原子炉容器上部ふたは制御棒駆動装置と一体構造であり安全上きわめて重要な部位です。九電は2010年2月8日に原子力安全・保安院に対して、玄海3号機原子炉上部ふた交換工事の申請を行いました(九電プレスリリース)。米国の原発の上部ふたで激しい応力腐食が発生し、全国すべての加圧水型原発で改良型への取り換えが「予防保全」として進められてきたのです。しかし、3.11の後、審査が中断し、交換計画は放棄されました。全国で唯一です。

玄海3号機はプルサーマル運転を予定しており、制御棒の効きが悪くなるなど通常の原発より危険ですが、その点からも上部ふたを改良型に取り換えないまま再稼働に入ることは、経済性を優先した明らかな安全軽視です。

4月6日に佐賀県知事に対してこの問題を放置しないことを求めて要請したところ、「未交換でも腐食劣化等の問題が生じないことが確認されている」と県担当者が言うので、「確認された」とする資料開示を求めると、「上部ふたに関する安全性については、国において確認されており、九州電力から県に提出された資料等はない」と文書で回答(5月23日)されました。

①現在も交換計画を放棄したままですか。なぜ、交換しないのですか。

②「腐食劣化等は起こらず安全」だとするのなら、その資料をお示しください。

 

(5)瓜生社長と山口知事との約束「うそをつかない」

6年前に貴社が再稼働を画策した時に、古川康・前佐賀県知事に端を発した「九電やらせメール事件」が起きました。そのことも念頭に山口祥義佐賀県知事は2015年1月に就任した直後に瓜生社長に対して「うそをつかない」ことを求めました(「組織の風通しをよくする」「あらゆる事象に対応できる体制を構築する」とあわせて「3つの約束」とした)。

 

①その後、うそをついていませんか。住民の信頼を得たとお考えですか。

②貴社は免震重要棟建設計画を撤回しました。これは「うそ」ではありませんか。

③やらせメール事件の調査の過程で、証拠隠滅を指示した張本人である中村明氏が今年4月から原子力発電本部長に就任しました。そのような人事を行う貴社は信頼に足るのですか。

④田中俊一原子力規制委員会委員長は「福島の事故前、『やらせメール』に似たことはどこの事業者もやっていたと思う…なかなか一回染みついた文化は直らない」と言っています(佐賀新聞2月16日付)。住民軽視のやらせ文化は九電に今も染みついているのですか。

⑤本年6月28日の株主総会にて、株主からの質問の中で瓜生社長は「どんなに少ない放射能でも体に害はあるそうです、放射能は自然界にもいろいろなところに存在する、その中でそれらを体に受け止めながら生き延びていく人類、種が出てくるのだそうです」と発言しました。福島原発事故由来の放射能汚染の渦中にある被害者が救済されない中、特に子どもの甲状腺がん被害の発症が増加している中、極めて悪質で不謹慎な発言です。撤回、謝罪を求めます。

⑥貴社は「コンプライアンス経営の推進」を謳っています。しかしながら、

・原子炉容器の炭素偏析による強度不足問題について非破壊検査をしない問題

・3号機原子炉上部ふた未交換問題

・地震が発生したら、まず止めて安全チェックに努めるのが事故防止の最善策であるにもかかわらず、熊本地震でも鹿児島地震でも止めずに動かしたまま「問題ない」ないと宣言した姿勢

・・・等々、私たちがこれまで取り上げてきた数々の問題は、ルールを公正に守らず、「コンプライアンス経営」にはほど遠い利己的な姿勢の表れではないでしょうか。

⑦前回12月14日の交渉では42問中13問(全体の3分の1)が回答されず、「年明けにも回答の場を調整したい」と約束したにもかかわらず、私たちが5月18日に貴社エネルギー広報グループに連絡するまで、何の連絡もありませんでした。5月29日、返事の電話がありましたが、「6月13日はどうか」と言ってこられました。その数日前に「玄海仮処分決定日」が6月13日と決まったばかりだというのに、その日にぶつけようとしたのです。貴社のそうした姿勢は市民を軽視していると思いませんか。

 

(6)火山灰評価で濃度が100倍に!現状は基準違反

7月19日の原子力規制委員会で、原発の火山灰(降下火火砕物)の影響評価について、その基準となる火山灰濃度が現状の100倍規模に跳ね上がるという基本的考え方が承認されました。「参考濃度」という名前ですが、「基準を総合的、工学的判断により設定した」ものという位置づけになりました。

6月22日に火山灰検討チームの最後の会合で電事連が出した資料には再稼働許可を出している原発について各電力会社が算出した参考濃度と現状での限界濃度(フィルタ交換などで対応できる濃度の限界)を比較した表がありますが、クリアしているのは高浜原発だけで、玄海原発、川内原発、伊方原発、大飯原発、美浜原発は参考濃度が限界濃度を超えています。玄海原発は参考濃度3.8g/㎥に対して、限界濃度0.9g/㎥。川内原発は参考濃度3.3g/㎥に対して、限界濃度1.0g/㎥となっており、いずれも参考濃度が限界濃度を大きく超えています。

さらに、これら原発では非常用ディーゼル発電機が2台しかなく、現状では1台ずつ止めてフィルターを止めて交換することにしていますが、「単一故障の仮定」から2台が健全であるという規制要求を満たしていないため、1台ずつ止めてフィルター交換をすることも許さないことになりました。電力会社は、フィルターを二重にして性能を向上した上で、運転しながら交換できるようにするとしていますが、「今後」の課題となっています。

田中俊一委員長は記者会見でバックフィットをかけると言っていますが、基準違反が明確になったわけですから、稼働中の原発を直ちに止め、許可の出た原発も取り消すべきです。

川内原発と玄海原発について、参考濃度が限界濃度を大きく超えていること、非常用ディーゼル発電機は2台しかないことは、基準違反です。川内は稼働中止し、玄海は稼働準備を中止し、申請し直すべきではないですか。

以上


連絡先:玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

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2017年7月26日 九電要請質問書
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2017年7月26日 九電要請質問資料
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◆【九電、信頼回復「約束のカード」不携帯:朝日記事】

(8月3日追記)

7月26日の九電本店交渉で、九電の住民との信頼関係を軽視する姿勢があらためて露わになったコンプライアンスカード不携帯問題。
記事によれば、九電が佐賀県に顛末の報告までしたというから驚きです。気にしているんですね。
しかし、九電交渉当日は残念なことにマスコミが誰も来ませんでした。
なんとか問題にできないかと、記者含め各方面に発信したところ、以前「佐賀県庁:玄関前対応は県民に失礼」の記事を書いてくれた朝日新聞の記者(その後の部屋でのやりとり復活のきっかけになりました)が反応してくれ、現在の担当記者が取材に来られ、記事になりました。
当日のやりとり詳細、知事と社長の面談記録、CSR報告書のことなどすべて話しました。「面談記録なども全部読まれているんですね~」と感心されてました。
記者には「こういうこともあるから、交渉の場に来てほしいんですよ!火山灰濃度の件も大問題ですから、よろしくお願いします!」と強く訴えておきました。
みなさんも、九電各支店でコンプライアンスカードをぜひ見せてもらってください。

********************************

◆佐賀新聞

【信頼回復「約束のカード」携帯せずに応対 九電】/秦忠弘、浜田祥太郎
2017年8月3日03時00分
http://www.asahi.com/articles/ASK8175DMK81TTHB015.html


<コンプライアンスカード問題について、朝日新聞報道を受けて、知事あてに要請書を提出しました>

質問要請書

佐賀県は問題をうやむやにせず、積極的に公開を!九電“コンプライアンスカード”不携帯は約束違反

 

2017810

佐賀県知事 山口祥義 様

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

6年前の古川康前佐賀県知事に端を発した“九電やらせメール事件”を踏まえ、山口祥義佐賀県知事は2年前の就任直後に瓜生道明社長と面談して九電が「ウソをつかない」ことを約束させました。今年419日、知事と面談した瓜生社長は「コンプライアンスとは法令順守だけでなく、社会に迷惑をかけないことだ。コンプライアンスカードを全社員に常時携帯させている」と知事に説明しました。この面談を踏まえて、“九電は変わった”“もうウソをつかない”ことを知事は確認したとし、5日後の24日、再稼働に同意しました。

 

726日、私達は九州電力本店と交渉の場を持ちました。交渉の冒頭に「コンプライアンスカードを携帯していると思いますが、見せてください」と求めたところ、対応したエネルギー広報グループの課長ら5人は全員カードを携帯していませんでした。内容を問うても、誰も答えられませんでした。

カードには「あなたや上司、同僚の判断や行動は自分の良心に反していませんか?」「家族や友人に胸を張って見せられますか?」「地域社会との信頼関係を損ないませんか?」などと5項目が記載されています。命を傷つけ暮らしを根こそぎ奪いかねない原発に不安を持つ市民に説明する際にこそ一番に顧みてほしい内容です。しかし、社長指示はただの口約束だったのです。

 

83日の朝日新聞には「九電から報告があり、翌日、山口康郎佐賀県県民環境部長が口頭で改善を求めた」とありました。そこで、県原子力安全対策課に電話して詳細を確認したところ--

・九電から電話で報告があった。事実確認を確認したいということで、県庁に呼んだ。

・九州電力執行役員であり立地コミュニケーション本部の田代幸英本部長ら数人が県庁に来た。

・佐賀県環境部長は口頭で「瓜生社長が約束していたコンプライアンスカードを実際持っていなかったことは遺憾であり重く受け止めている。今後二度とこういうことがないように改善策を検討して、報告を求めたい」と伝えた。                                            --ということでした。

 

九電本部長が県部長に直接報告に来たということは、重大な問題だと認識したということだと思います。

しかし、また、疑問が湧きました。私達が朝日新聞から取材を受けたのが731日で、記事になったのは県が九電を呼んだ27日から1週間後の83日のことです。それまで、県はこの経過について、記者発表等で公表しませんでした。記事にならなければ、表沙汰にならなかったのです。

 

九電社長と知事との約束は、県民との約束でもあります。その約束がまたも破られたわけですから、九電を厳しく叱責し、このことをいち早く県民に対しても知らせるべきではなかったでしょうか。県民に寄り添って、九電や国と対峙するのが、知事に求められる姿勢ではないでしょうか。

残念ながら、やらせメール事件で明らかになった、佐賀県と九州電力との“もたれあい”の関係が今も続ているように感じます。私達の九電に対する不信は、県民の理解もないままに再稼働同意に突進した知事に対する不信でもあることを、知事は重く受け止めるべきだと思います。

 

今回のことをうやむやにせず、今後「ウソをつかない、つかせない」よう望みます。以下について、1週間以内にご回答ください。

<質問項目>

(1)この件について、九電から佐賀県への最初の連絡は、いつ、誰から、どういう内容だったか。

(2)727日に県庁を訪ねた九電関係者と県側の対応者の氏名と役職。

(3)九電からの報告内容と、県から九電へ伝えた内容

(4)九電に求めた報告の期限はいつか。また、いつまでを想定しているか。

(5)県として、この経過について、なぜ自ら公表しなかったのか。

 

(6)後日、九電から改善策についての報告があった時に、それを公表してください。

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2017年8月10日コンプライアンスカード知事質問
20170810コンプライアンスカード知事質問●.pdf
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