【玄海原発再稼働「安全専門部会」委員人選に抗議!/ 意見噴出!の佐賀県第三者委員会初回会合】

①【玄海原発再稼働「安全専門部会」委員人選に抗議!】

12月26日に初会合を開いた「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の下に設置された「原子力安全専門部会」の人選が、第三者性が確保されず、電力業界や原子炉メーカー等との結びつきの深い原発推進の立場に立った人物ばかりだとして、佐賀県知事あての抗議の申し入れを行いました。
県担当者は「純粋に技術的なアドバイスをいただくため、ある程度、玄海原発を知っている専門家を選んだ」と回答、さらに「第三者性という言葉がよくわからない」などと開き直りました。

当初、「第三者委員会」ということで発足に至った委員会であり、マスコミもそのように呼んでいますが、県は「第三者」という言葉を意図的に外してきました。このような事態を想定しての予防線だったのでしょうか。


2011年の再稼働騒動時の「やらせ」や、その時に発覚した2005年のプルサーマル討論会時の「仕込み」などに手を染めたことへの反省など毛頭なく、今なお原子力ムラの癒着構造の中にいる佐賀県です。

この後開かれた「広く意見を聴く委員会」、明日開かれる「専門部会」の様子はまた報告します。
そこでの議論の成り行きを注視したいと思います。


  申 入 書  

玄海原発再稼働「安全専門部会」委員の人選に抗議します

 

2016 年 12 月 26 日

佐賀県知事 山口祥義 様

 

 12月20日、佐賀県は「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」と「原子力安全専門部会」を設置し、委員名を発表しました。

 

 専門部会の 7 名の専門家には、工藤和彦・九州大学名誉教授、出光一哉・九州大学大学院教授など原発推進の専門家が多数を占めました。

 工藤氏は「経済やエネルギー確保の面での大きなリスクを避けるには、安全上のリスクを含むものでも使う必要がある。経済性とのかねあいもどこかで考えないといけません。」(2012 年 3 月 14 日付朝日新聞)と述べるなど、安全よりも経済優先の姿勢を明らかにしています。「安全」を慎重に議論すべき専門部会の会長にこのような人物が就任するのは著しく公正さを欠きます。

 出光氏は、のちに“仕込み”が発覚した 2005 年 12 月 25 日の佐賀県主催プルサーマル討論会に推進派として登壇した人物です。出光氏は原発を持つ電力 10 社から拠出金を受け今年 10 月に発足した「使用済燃料再処理機構」の非常勤理事を務めていることが明らかになりました(※)。かつて核燃料成形加工を行っている「原子燃料工業」から 200 万円を受け取っていた(2008~11 年度)という報道もあるなど、電力会社と密接な関係にある人物です。

 また、守田幸路・九州大学大学院教授も原発メーカーである三菱重工業から 300 万円(2013~15 年度)受け取り(※)、續輝久・九州大学大学院教授も電力業界・原発メーカー等でつくる「原子力安全研究協会」の助成金を受け取っていました。

 このように著しく電力業界寄りでバランスを欠いた人選では、「様々な観点からの意見や専門的なアドバイスをいただくため」とする委員会と専門部会の設置目的に反しています。

 

 11 月 9 日に私たちは知事に対して「専門部会の委員は第三者性を確保するためにも、九州電力や電事連と何らかの特別な関係のある人は除き、原発に慎重な立場の専門家を起用してください」と要請し、市民の立場から専門家 8 名を推薦したところですが、今回の人選はこの第三者性確保の要請を無視するもので、その見直しを求めます。

 

また、専門部会において扱うテーマを「国の審査結果」と限定していることも問題です。佐賀県議会原子力特別委員会では、原子力防災・避難計画や、フランスで大きな問題となり玄海原発も危険性を疑われている原子炉等の強度不足問題について、担当課長が「専門部会での議論の対象としない」と回答しましたが、県民の安全・安心に関わる重大なテーマを扱わないのは極めて不当です。それこそ、様々な立場の専門家が議論の上、県民に問題の所在を明らかにすべきです。

(※)佐賀新聞 2016 年 12 月 23 日報道

 

玄海原発対策住民会議(藤浦晧会長)

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会(石丸初美代表)

玄海原発反対からつ事務所(北川浩一代表)

原発を考える鳥栖の会(野中宏樹代表)

原発なくそう!九州玄海訴訟原告団(長谷川照原告団長)

佐賀県原発問題対策協議会(河西龍太郎会長)

さようなら原発 1000 万人アクション佐賀県実行委員会(原口郁哉委員長) 

さよなら原発!佐賀連絡会(豊島耕一代表)

プルサーマルと佐賀県の 100 年を考える会(野中宏樹共同世話人)

 

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申入書「玄海原発再稼働「安全専門部会」委員の人選に抗議します」 追加質問事項

 

2016 年 12 月 26 日

佐賀県知事 山口祥義様

 

 本日の申入書「玄海原発再稼働『安全専門部会』委員の人選に抗議します」につきまして、口頭で質問しましたことを文書にて追加質問いたしますので、よろしくご回答ください。

 

【質問事項】

1. 専門部会委員の選定の具体的な基準および、各委員のこれまでの県とのかかわり、玄海原発に関する知見、専門的にどのようなアドバイスを期待しているのか。

2. 部会全体としての第三者性の確保が必要と考えたか。それが確保されたと考えるか。

3. 各委員について利益相反*に関するチェックをしたか。その基準と実施の内容を答えて下さい。

4. 原子力規制委員会の技術評価検討会委員である守田氏が委員に含まれるのは、審査書を評価する立場としてはふさわしくないのではないか。

* 公平な判断という県民全体の利益と、九州電力や電力業界、原子炉メーカー等の利益との間の相反関係。 

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2016年12月26日 佐賀県知事宛 専門部会抗議申入書
【玄海原発再稼働「安全専門部会」委員の人選に抗議します】
20161226専門部会抗議申入●.pdf
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2016年12月26日 佐賀県知事宛 専門部会抗議申入書●追加質問
20161226専門部会抗議申入●追加質問.pdf
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■ニュース動画

◆サガテレビ(2016/12/26 11:57)

◆玄海原発「専門部会」市民団体が人選に抗議
https://youtu.be/R2xRk2Zf0Ok

(※TOPに表示している動画です)
玄海原発の再稼働に関し技術的な意見を聞く県の「専門部会」が27日開かれるのを前に、市民団体が26日人選の見直しを求める知事あての申し入れ書を提出しました。【玄海原発裁判の会 石丸初美代表】「玄海原発再稼働『安全専門部会』委員の人選に抗議します」県に申し入れたのは、玄海原発の再稼働に反対する9つの市民団体です。玄海原発の再稼働に関し技術的な意見を聞くため県が設置した専門部会には、原子力工学や地震工学など7人のメンバーが選ばれていて、市民団体はこの人選の基準が、「安全性よりも経済性を優先している。電力業界寄りでバランスを欠いている」と指摘し、見直しを求めています。これに対し県は、「技術的なアドバイスをもらうために選んだ」と述べるにとどまりました。専門部会は27日開かれます。 

 


②【意見噴出!の佐賀県第三者委員会初回会合】


26日午後、「玄海原発再稼働に関して広く意見を聴く委員会」の初会合が開かれ、傍聴してきました。
山口知事の「話は聞くだけは聞きますよ」と言うだけで、県民の命を主体的に守ろうとしない姿勢が露わになった委員会でした。

委員は農林漁業、商工、医療、福祉、労働、教育、女性、消費者等の「各界団体」の代表者30名。
県から会の進め方や再稼働にいたる経緯の話が大雑把にあった後、委員から意見を出す時間になりました。
県は再稼働や県民の安全・安心に関する具体的な資料をほとんど何も配布せず、「意見を言いたかったらどうぞ」という姿勢だったので、委員からの意見は、はじめはポツポツとしか出ませんでした。
しかし、脱原発の仲間で委員となった佐賀県平和運動センターの柳瀬事務局長が、避難計画の検証、田中委員長の「安全とは言わない」発言、使用済み核燃料の問題を指摘したり、「国のいうことを押し付けてはいけない」などと何度も意見を出したことも呼び水となって、多くの委員が意見を出すようになりました。

県老人福祉施設協議会会長は

「避難計画は県と協定も結び、施設間での協定も結んだが、まだ一次避難の2週間分だけ。その先は協議中でなかなかまとまらない。人様を預かる施設としては、そういったことを含めての再稼働の議論が必要だ」

と指摘し、「避難と再稼働は別」とする県の姿勢を糺しました。
他の委員からも、

「電力供給不足は大問題だ」「働き場を考えなければいけない」などの意見もありましたが、
「避難の問題は扱わないのか」
「地元の同意の範囲はどうなっているのか」
「原発が止まっている間、節電や水力、火力でまかなったし、今も普通に原発が動いていなくても電気は何の不足もなくやってこれている。なぜ再稼働なのか」

等の意見が各委員から相次いできました。
県はそれらの質問に

「国が考えることですので」

「国と相談してから、またみなさんにお示しします」

などというばかり。委員らも「国が、国が...」との県の姿勢にあきれていました。

「言いっぱなしの委員会じゃ意味がない。」
「資料を事前に配布してほしい。」...etc

想定外だったであろう相次ぐ質問に、委員会の会長となった県副知事は「しっかり受け止めるというのがこの委員会の趣旨なので、そこは軸がぶれない形でご意見を伺いたいと思います」と言うのが精一杯でした。受け止めた後、どうするのかが問われているのです。

 

佐賀県知事は県民に対して、原発の危険、放射能の怖さを隠さずすべて知らせた上で、県民の命の安全を守れず、安心を約束できないのなら、きっぱりと再稼働にNOというべきです。
委員会は国の再稼働「許可」後に、2回目の会合を開いて意見を聴き、3回目には「まとめる」ということですが、私たちは、本当のことを知りたがっている委員のみなさんに、私たちの情報を届けていきたいと思います。

 

 

マスコミは福岡のテレビ局も含め、非常に多かったです。
一般傍聴席は20席しかありませんでしたが、傍聴者は9名だけでした。
ネット中継も見られた方もいると思いますが、ぜひこの現場の雰囲気を直接感じていただければと思います。
委員らに「住民の代表として委員になっているのだから、意見をちゃんと言ってくださいよ」という視線(エール)を送りましょう。

なお、命の安全より「経済とのかねあい」を優先する専門部会長・工藤和彦氏の発言は一言もありませんでした。
27日の御用学者ばかりの専門部会は、突っ込んだやり取りもなく、酷かったです。追って報告します。


※右の画像は今日の佐賀新聞報道。しっかり記事にしてくれました。


③【九電説明をスルッと追認するだけの佐賀県「原子力安全専門部会」】

12月27日、「玄海原発再稼働に関して広く意見を聴く委員会」(委員30名)の中に置かれた「原子力安全専門部会」(専門家委員7名)の第一回会合が開かれました。

県民各団体代表から意見が噴出した前日の「委員会」と違って、推進派ばかりの専門家による部会は、九州電力の「安全です」の説明に対して突っ込んだやりとりもほとんどないままに終了しました。

 

山口祥義知事は委員会に続き、部会にも出席しませんでした。委員会会長を務める副知事は部会では冒頭挨拶のみして退席しました。

まず、規制庁から説明がある予定でしたが、玄海規制事務所の職員が「規制基準について説明できる人が明日の審査会合のため、忙しくて来られない。資料を配付しているので、質問があれば後日回答する」とだけ述べました。

専門部会は「規制委員会の審査結果について内容を確認するにあたって、専門家から指導助言をいただく」場とされていますが、そこに審査当事者が出席していないというのはおかしな話です。

国も、そして、佐賀県自身がこの場を軽視しているように思いました。

 

そして、九電から「新規制基準適合性確認について」説明50分。

委員による質問30分。

休憩10分はさんで、九電から「重大事故対策等の有効性評価」の説明50分。

質問15分--という流れで進行しました。

実質150分の会合のうち約100分は九電からの説明で終わりました。

 

委員からの質問は、検討している火山灰の性質、格納容器下部キャビティの温度計の有無、下部キャビティの水位計の炉心溶融時の動作保証、福島第一で起きているような地下水問題、津波の跳ね返りの検討、対策工事をしたことで検査項目が増えたのに対して検査は大丈夫か、九電の事故シーケンスやセシウム放出量の推計が格納容器が損傷しない前提になっているがいいのか、再臨界の可能性はどうなのか...など、九電の説明に沿って技術的な内容が出されましたが、九電がはぐらかした回答をしたり、対策等ができていないと回答しているのに、委員は食い付かずに「わかりました。ありがとうございます」で終わるのがほとんどでした。

「緊急時対策所の完成時期はいつか」の質問に対して、九電は「再起動後に工事計画書を出すので数年はかかる」と平然と答えましたが、質疑はそれで終わり。

申請書に明記し、建設を約束していた免震重要棟を反故にしたことは、九電も委員もまったく触れず。さらに、免震ではない対策所の完成が再稼働から数年後だというのに!

 

専門部会が、九電と国の説明をスルッと追認するだけの場であっていいわけがありません。

そもそも、出光一哉氏をはじめ電力業界や原発メーカーから寄付を受け取っている委員が多数いて、「命の安全より経済とのかねあい」を優先する工藤和彦氏が専門部会長という構成自体が著しく不公正です。

県は、原発に反対・慎重な立場の専門家の意見も聴くべきです。

市民がこれまで九電や県に提出してきた質問や要請について(ほとんどが中身のある回答を得られていません)も、県として県民の安全安心を守る立場から専門家に質してみるべきではないでしょうか。

 

専門部会の2回目は1月18日(水)に玄海原発現地視察。3回目は1月19日(木)に会合するということです。

議事録も出る予定ですので、市民からも中身をチェックし、必要な行動を起こしていきましょう。

 

部会の傍聴席は20席のところ、傍聴者は11名でした。

前日の委員会も傍聴者はわずか9名でした。(委員会の次回日程は未定)

市民が傍聴し、この様子を生で知り、伝えていかないと、再稼働が推進側が描くスケジュールでどんどん進められていきます。

県民各団体代表による委員会では、原発に不安を感じたり、県の姿勢に疑問を持った方が多くいます。視線(エール)を送りましょう。

どうぞ、みなさん、委員会や議会の傍聴に足を運んでください!

 

※今回、専門部会会場となった「グランデはがくれ」前では「御用学者で固めた専門部会 県民拒否!」など、「玄海原発反対からつ事務所」の北川さん作成ののぼり旗を出し、委員人選に抗議の意志を表明しました。