【「みなさんはメーカーを信用しないで車を買うんですか? 非破壊検査も破壊検査もやるつもりはありません」 ~12/14九州電力本店交渉 玄海原発強度不足問題のやりとり報告~】

みなさんはメーカーを信用しないで車を買んですか? 

 非破壊検査も破壊検査もやるつもりはありません」 

12/14九州電力本店交渉 玄海原発強度不足問題のやりとり報告~ 

 

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会など12団体は12月14日、玄海原発3・4号機再稼働を強引に進める九州電力本店と交渉の場を持ちました。
対応したのは九州電力エネルギー広報グループ 遠山グループ長、本房課長、篠田副長の3人。
私たちは冒頭、「再稼働に反対します。原発事故の加害当事者になるという重大な責任を自覚してください」とする要請書を読み上げ、手渡しました。
そして、事前に通知していた10項目(42細目)の質問について、回答をひととおりもらった後、論点を絞って質疑しました。喫緊の問題として、原子炉等の強度不足問題を冒頭に時間を割いて追及しました。
「強度不足」問題とは――フランスで原発の原子炉容器や蒸気発生器に「炭素偏析」=強度不足が発覚。

フランスでは調査対象を拡大し、原発を止めて現物検査まで行ったのに対して、日本の原子力規制委員会は同じメーカーの部材などについて、書類の確認だけで済まそうとしている問題です。

交渉で九電の姿勢として確認できたことは――
●1 メーカーの記録を確認しただけ。
●2 「炭素偏析は起こらない」と言い切り、「起きた場合というのは仮定の話なので分からない」と切って捨てた。
●3 「フランスでは実機で検査されたと報道等では聞いてますけれども。詳しくは後で回答します」などと、自分達に都合の悪い部分は回答を避けた。
●4 規格値を超えた2号機の「0.26」について「私たちの出した数値は0.19だ。0.26は国が出した数値で、その数値の出所は分かりません」と国会でも論議されている規制庁の出した数値を切って捨てた。※
●5 フランスで起きたメーカーの文書改ざんが日本のメーカーで起きないかを質すと、「車を買う時に車のスペック、仕様書の数値を信用しますよね。みなさん、信用しないで買われるんですか」ととんでもない開き直り!
●6 田中規制委員長の「玄海2号機の実機検査について、確認を深めたい」との国会答弁にもかかわらず、「非破壊検査、破壊検査をやるつもりはございません」と言い切った。
というものでした。
市民の命の危険など、これっぽっちも頭にない酷い九電の姿勢でした。
今後、再稼働同意権を持つ佐賀県と、佐賀・福岡・長崎の市町の首長や議員らにもこの情報などを持ってまわって伝え、議会や首長会合などでも取り上げてもらい、再稼働に「待った」をかけていきたいと思います。
フランスなどの動きも見ると、1年前に浮上した免震重要棟問題建設放棄以上の、深刻で危機的な問題ではないかと感じています。
強度不足問題以外についても、地震、繰り返しの揺れ、避難、地元同意、使用済み燃料問題等も質しましたので別途報告します(1か月前に質問を通知しているのに、4分の1以上の13項目について確認中として回答を“パス”されました。市民軽視にもホドがあります!)。
以下、強度不足問題のやりとりを、テープおこししました。不明確な部分もあるかと思いますが、その場のやりとりをそのまま知っていただければと思います。ぜひ一読ください。

 

■質問事項■
==================================
フランスで原発の原子炉容器や蒸気発生器の「強度不足」問題が発覚した。
玄海原発3・4号機の原子炉容器の上蓋と胴部、2号機の上蓋が日本鋳鍛鋼製の鍛造によるものだった。
10月31日付の九電調査報告では玄海、川内ともに「炭素偏析部の除去を実施する要領となっていることが確認できたこと」、「規格要求を十分満たす製造手順書に従い製造されたことが確認できたこと」から「評価対象全てについて炭素偏析部残存の可能性はないことが確認できた」とされた。
①確認したのは製造手順書だけ、ということか。他に、製造メーカーに対し何を要求したか。
②フランスでは非破壊検査を経て初めて発見された。すべての部材について非破壊検査をしないのか。
==================================
■質疑の記録■
●1 メーカーの記録を確認しただけ。
九電A:メーカーの製造記録で炭素偏析部がないことを確認できたので、非破壊検査などは行っていないということです。
市民:メーカーの出したデータを調べただけということか。
九A:そうです。それで問題ないという判断をした。
市民:それで非破壊検査をする必要がないと。
九A:はい。元々、フランスと日本の鍛造のやり方が違うこと、それによって炭素偏析の残りやすい部分の切り出し部分が短かった、少なかったこと、ということです。当社においてはフランスとの製作方法が違う、作り方の過程において十分に切り捨て量があったと。それから、製造時の記録、データを見て、規格内で十分満足しているということで、問題ないと国としても判断したということです。
●2 「炭素偏析は起こらない」と言い切り、「起きた場合というのは仮定の話なので分からない」と切って捨てた。
市民:そもそも強度不足になると、具体的にはどんなことが起きるのか。
九A:炭素が増えてくると、急に冷えると縮む、縮む量が多くなる、弱くなるということで、クランク、傷が入ったりする可能性がある。
市民:原子炉などに傷が入ったらどうなるのか。
九A:その程度によるが、肉厚が厚ければ問題ないでしょうし、それが大きくなってくればその部材が壊れる可能性があるということです。
市民:部材が壊れるということは重大事故になるということですね。放射能が漏れるということですね。
九A:原則的にはそうですけれども、はい。そうですけれども、調査の結果、炭素偏析が起こるような量になっていないことが確認されているので、そのようなことは起こらない。
市民:起きた場合のことを聞いているんです。
九A:起きた場合のことは分かりません。
市民:えっ、起きた場合のことは分からないんですか。
九A:いやいや、起きた場合のことというのは、仮定の話なので、実際にはこの数値というのは規格内に入ってございますので、それは保証されているということでございます。
●3 「フランスでは実機で検査されたと報道等では聞いてますけれども。詳しくは後で回答します」などと、自分達に都合の悪い部分は回答を避けた。
市民:フランスでは大変な状態になっていると聞いているが、それはなぜか。
九A:国の報告書では、製作の仕方が違っていて…
市民:そうじゃなくて、重大な事故になりかねないからですよね。そういう危険があるということですよね。
九電B:フランスでは実際に炭素濃度が多いところが調べた結果見つかったということで、他のところも検査しましょうという話になったと。
市民:どうやって調べたのか。
九B:最初は記録だと思いますけれども。
市民:その後は。
九B:その後、実機でされたと報道等では聞いてますけれども。
市民:「聞いてます」では分かりません。記録だったのか。
九B:すみません、今、手元に資料がありません。
市民:調べてください。
九B:分かりました。また回答いたします。
市民:フランスでは対象を拡大して非破壊検査をやったんですよね。
九B:今、12機ですかね、報道では聞いています。
市民:フランスはそういう対応しているのに、非破壊検査までやってわかったわけなのに、日本はなんでしないんですか。書類の確認、製造時の手順を確認しただけという。実際がどうなのかが分からないと、私たちは安心できない。なぜ現物を検査をしないんですか。
九B:フランスではまず材料で検査の時に数値が上がっていたので、それで調べたということです。
●4 規格値を超えた2号機の「0.26」について「私たちの出した数値は0.19だ。0.26は国が出した数値で、その数値の出所は分かりません」と国会でも論議されている規制庁の出した数値を切って捨てた。
市民:書類の検査でも玄海2号機で、日本の規格は0.25だが、それを超える0.26というのが出たという国の報告があった。
九B:それに関しては、うちは記録としてはその数値は出してございません。それはちょっとわかりませんけれども、国がその数値を使われていまして、うちの方の出した記録は、玄海2号機の数値は規格要求値0.26に対して、当社としては0.19という数値で国に提出しています。※
市民:それは違うんじゃないですか。玄海2号機の上蓋ですよね。規制委員会は、0.26だったが、予測式で0.20~0.30の範囲内だからJIS規格にあっているみたいなことを言っているが、基準の0.25っていうのは超えたら危ない数値です。
九B:2号機上蓋について私たちの記録としては化学成分分析におきまして、溶鋼分析、溶けている状態での分析の規格要求値は0.25というもので、それに対して当社の結果は0.19です。
市民:規制庁は比較製品の炭素濃度は0.26と出ているが、間違いなのか。
九B:そこは私たちの数値ではございませんので、その数値の出所は分かりません。
市民:これ、事故になったらどうするんですか。そんな言い方をしていいんですか。
九B:それは国が出した数字で、私たちが出している記録としては溶鋼分析で0.19、製品分析では…
市民:それは分かりましたけれど、これを基に規制庁では議論したり、記者会見されたりしているわけです。九電としては、この基準を超えている0.26という数字は全然関知しないで、国が勝手にやっているということなんですか。それならそれで、それは違いますよって言わないといけないんじゃないですか。
九B:勝手にというか、私たちはその数値が出ている所見が分からないということです。
市民:確認もしないんですか。これは11月25日の規制庁の資料で出ているんですけれども。もう何日経ってますか。当事者ですよね、九電は。
九B:担当の方に確認したいと思います。
市民:今日のうちに確認していただけますか。心配で帰れません。
九B:・・・
市民:実際に調べないと手抜きと言われても仕方ない。メーカーから書類を取り寄せて炭素偏析部の除去を実施したと確認できたらOK、製造時に試験値が規格内であればOK、模型と比較して規格内であればOK、予測式が規格内であればOKと。予測式は実証性に乏しい。だから、実機を止めて調べることだ。
玄海1号機の脆性劣化の問題があったが、あれも試験片で調べるということをやっている。上蓋なら止めれば取って調べられる箇所だ。
さっき、ひび割れぐらいは大丈夫といったが、圧力容器は157気圧。ひびが入ったら、止めれば大丈夫なんてことはありえません。
九B:先ほど言ったのはひび割れの程度なんですけど、程度が少なければということで。非常に髪の毛のようなものであれば大丈夫という意味で言ったんです。
●5 フランスで起きたメーカーの文書改ざんが日本のメーカーで起きないかを質すと、「車を買う時に車のスペック、仕様書の数値を信用しますよね。みなさん、信用しないで買われるんですか」ととんでもない開き直り!
市民:昨日知った話だが、フランス議会の公聴会で、フランスのメーカーが規制庁に出した資料の中に文書の改ざんがあったということを聞いた。10月にフランス原子力安全局は発表している。文書改ざんは日本では起きないのか。確認したのでしょうか。
九B:もちろん、確認してございまして、その数値がこの数字だということでございます。
市民:データがあっているかどうか、改ざんしていないということは、九電はどうやって分かるんですか。
九B:それはもう、データ、商取引上のデータという非常に重みがあるものですから、それを改ざんとかどうのこうのというのでなく、それはそのデータとしてもらうと。
市民:データに重みがあるというのはどういうことですか。
九B:要は、なんでもそうじゃないですか。買う時に、こういう数値が出ていますということで、車のスペック(性能)をどうしますかという時に、その時にはその数値を信用しますよね、メーカーの。みなさん、信用しないで買われるんですか。
市民:信用するしかない時は信用しますよね。
九B:そういうことですよね。
市民:そういうことができないから、ここで聞いているんじゃないですか。
市民:フランスではそういう改ざんがあったということを国が明らかにしたわけですけれども、日本の鋳鍛鋼、メーカーだって改ざんすることがあるかもしれない。だから、現物検査すれば、ある程度分かるかもしれないじゃないですか。それをなんでやらないんですか。
九B:その数値の中に入っていると。確実にその数値にも余裕がある数値ということで、もう現物検査の必要はないということです。
市民:車でありましたよね、燃費がものすごくいいといって出したけれど、相当高かったということが。あれは国も関わっている検査結果ですよね。
九B:原子炉の部材に求められる要求というのは法令等で厳しく規制されております。適切に化学成分等も定められており、製造時にJIS規格等にマッチしているかどうかも確認しています。
市民:井野氏も言われているが、調べ方の問題もあるが、原発の中には鍛造と鋳造、両方使われている。でも、鍛造品しか調べていない。鋳造は対象からはずしている。鋳造でも炭素偏析はあるというが、狭い範囲にして、不良品を真剣に見つけようとしない姿勢が問題だ。脆性劣化の時も試験片を調べなおせとか求めたり、不純物があったら腐食が進む問題とか、過去にも言ってきたが、どうもそういうことをやっていただけない。止めればお金がかかる、蓋は変えればお金がかかる、だからそれはやらないということか。でもこれは危険で、事故につながるということ。検査を求める。
市民:今止まってますから。
九B:繰り返しになりますけれども、私どもとしましては、メーカー等の製造記録等により...可能性はないということが確認できたことから、非破壊検査、破壊検査は行っておりません。
市民:メーカーが信用ならないとなったら、大変ですよ。
九B:私どもとしては、規制庁にも報告して、規制庁からもおそれはないという評価をいただいております。
●6 田中規制委員長の「玄海2号機の実機検査について、確認を深めたい」との国会答弁にもかかわら
ず、「非破壊検査、破壊検査をやるつもりはございません」と言い切った。
市民:今後も非破壊検査、破壊検査をやるつもりはないのでしょうか。
九B:ございません。
市民:「ございません」と言い切りましたね。
九B:ございませんというか、状況によって、今のデータから見ると、その必要性はないと考えてございます。
市民:12月9日の衆議院原子力問題調査特別委員会で初鹿議員がこの問題を質問されたが、九電は俎上に上がっていた。ご存知ですか。
九B:私の方は存じておりませんが、担当部署は承知しているかと思います。
市民:知っておいてください、当事者ですから。その時に田中委員長は、0.26の問題が出た玄海2号機の非破壊検査・破壊検査について「玄海2号機については今のところ止まっているので、その点についても確認を深めていきたい」と言われた。こう言っているが、九電はやるつもりはないんですね。
九B:いや、その情報は知りませんので、あれですけれども、国の方からそういう指示があれば、そういうこともする可能性はあると思います。
市民:国から言われない限り、何もしないんですね、自主的には。
九B:基本的には記録で入っているので、私自身の考えとしては、する必要はないんではないかと思っています。
市民:必要ないんですね。
九B:必要ないというか、入っているので、問題ないと考えてございます。
市民:田中委員長は「今のところ2号機は止まっているから深めたい」と言いましたが、3・4号機も今のところ止まっている。あなたたちは再稼働しようとしていますが。でも、再稼働の前に、今止まっている時だからこそ、今やらなければいけないんじゃないですか。メーカーが偽造しているかもしれませんよ。その責任はどうとるんですか。後になってから分かっても遅いんです。
九B:・・・先ほどから申しているとおりです。
市民:私たちはこの問題について、引き続き要請をあちこちでしていきたいと思います。みなさん、ちゃんと対応してください。私たちは危機感を持っているから、国会のことも、仲間の市民が聞き書きしてくれたのを見たんです。みなさん、そういう危機感がないんでしょうか。当事者なんですよ、今日の要請文の見出しにあるように「加害当事者」になるんですよ。あまりにもひどいと思いました。
ちゃんと現物検査をしてください。次にいきます。...
**************************************************************************
※注・規格値を超えた「0.26」について
◆玄海原発2号原子炉は、規格外の疑いを残し、推定でパス
0.26について、国会でも論議されました。下記の一覧表に出ています。
ただ、九電が提出した報告書には、九電が言っていたように、0.26という数字が見当たりません。
【九州電力株式会社】仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査結果について(報告)【PDF:279KB】
最初見た時に「見当たらないけど、自分が見つけられないだけかな~」と思っていましたが、今日の九電の回答で、あらためて、この食い違いが気になりました。
疑問が深まるばかりです。どういうことなのでしょうか?追及していきます。

 

**************************************************************************
<強度不足問題について>
◆国会原子力問題調査特別委員会:原発部品強度問題
◆ええ、ウソだろ!! 原子炉や原発部品をつくる鉄鋼素材の強度不足がフランスで大問題、その鉄鋼が日本製だという=でも、日本では現物検査もしないで「大丈夫、大丈夫」と原子力規制委・規制庁が言ってるぞ!!
◆フランスでは、現物検査、日本は書類審査だけ。この違いはどこから? --原発部品強度不足問題
< まさのあつこさんのこれまでのレポート >
◆1:日本製鋼材の強度不足でフランスの原発停止中! 日本の原子力規制委は何をすべきか?
◆2:原子炉の強度不足問題:JIS規格任せ+調査対象の絞り込みで幕引きか?
◆3:玄海原発2号原子炉は、規格外の疑いを残し、推定でパス
◆4:フランスの”許されざる”原発部品問題:規制庁内部で理解にズレ
◆5:炭素濃度と製造プロセスの記録に、日本国民の命と財産と国土を託せるのか?http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20161205-00065169/

 

要請質問書  

玄海原発3・4号機の再稼働に反対します 

原発事故の加害当事者になるという重大な責任を自覚してください 

 

2016年1214 

九州電力(株)代表取締役社長  瓜生道明 様 

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 

玄海原発反対からつ事務所/プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 

原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/風ふくおかの会 

原発知っちょる会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会 

たんぽぽとりで/東区から玄海原発の廃炉を考える会 

福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

 

2011年12月25日に玄海原発がすべて停止して5年経とうとしています。 

そうした中、11月9日に国は玄海3・4号機の再稼働の審査書案を了承しました。これは次々と出てくる重大事項の問題点には蓋をし、国民を再び原発事故の恐怖に陥れるものでしかありません。 

玄海原発で事故が起きれば否応なしに放射能の被害を受けるのは私たち住民です。風下に位置する佐賀、福岡、長崎はもちろんのこと全九州の被害は甚大となり、偏西風により日本中の国土を放射能汚染で失うことになると、東京電力福島原発事故が教えてくれたのです。九州電力は原発事故の加害当事者になるという重大な責任を自覚し、真摯に受け止めてください。 

福島第一原発は、5年9ヶ月を経過した今でも、各原子炉の内部に近づくこともできず、何が主因かも全く検証されていません。その検証なくして再稼働などありえません。 

私たちは、フクシマの悲劇を二度と繰り返さないために命の問題だからこそ、黙っているわけにはいかずこうして何度も要請に来ているのです。 

 

以下の事項について具体的な対応と回答を求めます。 

 

 要請事項  

 

玄海原発3・4号機を再稼働させないでください。

 

 

【 質問事項 】  

 

(1)3 号機プルサーマル 10 月17 日にプルサーマルからの撤退を求める申し入れの際にも質問したことへの回答を求める。

①MOX燃料装荷予定量。

②最初に16本にしたのはなぜか。

③MOX燃料を増やすことについて、関係自治体に事前了解、事前説明が必要ではないか。

④MOX燃料を倍増することによる危険性を回避するために何かの措置を講じたか。

⑤輸入した MOX燃料納品後の九電自主検査の内容を示してほしい。 

 

(2)使用済み燃料のリラッキング
<使用済み燃料プ-ルはあと、4から5回運転でいっぱいになる。3号機使用済み燃料プールのリラッキングにつ いての国の審査は中断中。乾式貯蔵施設の技術的な検討を進めている>ということだが、

①現在の新燃料と使用済み燃料、ウラン、MOXそれぞれについて、どこにどのように保管しているのか。

②使用済み燃料は、ウラン、MOXそれぞれどこに何年保管し、いつどこへ搬出することにしているのか。

③リラッキングは、使用済み核燃料の間隔を8.3㎝狭め、貯蔵容量を2倍に増やす計画と聞くが、過密化することによる発熱量の変化や、事故時のシミュレーションをどう描いているのかを教えてほしい。

④ラックの間隔を狭めリラッキングにより高まる危険(再臨界など)を回避するために何か措置を講じたか。

⑤福島第一原発はリラッキングをすでに行っていたが、その検証、分析はされたのか。3号機燃料プールでとんでもない位置に燃料がぶっ飛んでいたという。 

 

(3)中間貯蔵

①乾式貯蔵施設では何年貯蔵することになるのか。そのあと、どこへ搬出するのか。

②どこに建設するつもりか。原発施設内か外か、予定しているところはあるか。

③設置する場所の選定基準、施設の安全設計の基準は何か、金属キャスクの耐用年数は何年か。

④使用済み燃料を中間貯蔵する法的根拠は何か。 

 

(4)原子炉等の強度不足

フランスで原発の原子炉容器や蒸気発生器の「強度不足」問題が発覚した。 玄海原発3・4号機の原子炉容器の上蓋と胴部、2号機の上蓋が日本鋳鍛鋼製の鍛造によるものだった。 10月31日付の九電調査報告では玄海、川内ともに「炭素偏析部の除去を実施する要領となっていることが確認できたこと」、「規格要求を十分満たす製造手順書に従い製造されたことが確認できたこと」から「評価対象全てにつ いて炭素偏析部残存の可能性はないことが確認できた」とされた。

①確認したのは製造手順書だけ、ということか。他に、製造メーカーに対し何を要求したか。

②フランスでは非破壊検査を経て初めて発見された。すべての部材について非破壊検査をしないのか。 

 

(5)熊本地震・基準地震動

<原子力規制委員会田中委員長の本年4月18,20日の記者会見及び九電作成の議員(唐津市、玄海町、佐賀県議会)への説明書について>

①熊本地震級の地震が玄海原発を直撃した場合、原発は耐えられるか

②M7クラスの巨大地震が連発して原発直下で起こった場合、機器類の累積疲労係数はどうなるのか

 

<基準地震動について>

③規制委員会の規則では地震動の評価は日本で起こる3つのタイプの地震(プレート間、スラブ内、内陸活断層) についてそれぞれ計算するようになっている。九電の説明書などではそのうち内陸活断層で起こる地震しか算定していない。これは規則違反ではないか。あと二つの地震型での評価を出すべきだ。

④九電は内陸型では3つの地震動でそれぞれ地震加速度を出している。そのうち地域を特定しないものとして留 萌支庁沖を選んでいるが、なぜか。例えば、2007年の新潟中越沖地震(M6・8)など原発を実際に直撃した地震をなぜ取り上げないのか。

⑤基準地震動の策定に関して、熊本地震を踏まえ、元原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は「入倉・三宅式を用いてはならない」として、別の式で再評価するよう提言した。原子力規制庁は実際に入倉・三宅式に代え て武村式を用いた試算を行ったが、試算をなかったこととし、それ以上の検討を放棄した。しかし、規制庁は「入倉・三宅式が他の関係式に比べて、同じ断層長さに対する地震モーメントを小さく算出する可能性を有していることにも留意」(「大飯発電所の地震動に係る試算の過程等について」平成28年7月27日、原子力規制庁)と、過小評価を認めている。入倉・三宅式では過小評価になると認めるか。 

 

(6)免震重要棟建設撤回

①撤回は国民との約束違反である。当初の申請通り、免震重要棟の建設を求める。  

②5月17 日付の九電資料「玄海原子力発電所における緊急時対策所の整備計画について」の中で、耐震構造と した理由について、下記部分のみを太字にして強調している。「(原子力発電所の重要な施設で既に実績のある 耐震構造であれば、)速やかに工事計画の審査対応を進めることが可能であり、更なる遅延を回避できる 」。また、 「耐震構造なら免震構造より2 年早くできる」とも繰り返し説明されてきた。 安全よりも工期短縮等コストを優先するのが貴社の姿勢なのか。 

 

(7)安全対策

①水素爆発

過酷事故(LOCA喪失、ECCS機能喪失)が起こった場合格納容器での水素爆発の可能性があるのではないか。 九電の資料では原子炉容器破損による水素濃度上昇が格納容器特定部位で限度の13%を超え15%の値が示されているという。(雑誌「科学」March2014 0337 頁) 

 

②海水取水口の防護

冷却用海水の取水口を防護する防波堤がなく、また貯留堰も設けられていないが大丈夫か。海水取水口及び取 水ポンプが津波(引き潮を含む)、高波などで破壊または機能を喪失した場合、冷却材のオルターナティブは確 保されているのか。温排水口の防護施設も存在していない。押し寄せる泥や砂利の津波によって温排水が逆流したり、排水口そのものが塞がる可能性が高い。温排水が不能となると取水も不能となり、冷却材喪失となる恐れが高いのではないか。 

 

③重大事故時の放射能放出量

玄海原発の重大事故時の放射能放出量の想定について前回質したところ「4.5テラベクレル。詳細は後で知らせる」ということだったが、回答いただいていない。電源確保や格納容器の破損状況など、その計算根拠と条件はどのようなものか。 

 

④特定重大事故等対処施設のさらなる設置期限延長

テロ対策施設やフィルターベントなどの特定重大事故対処施設の設置期限について、そもそも猶予されていたが、規制委員会は昨年11月にさらなる延長を決めた。玄海原発の同施設についての現在の建設状況と申請状況はどうなっているか。 

 

⑤送電鉄塔の点検

福島第一原発で外部電源を引き入れている送電線の末端にある鉄塔「引留鉄構」が1978年から未点検だったことが発覚、規制委は本年11月2日、保安規定違反にあたると判断した。玄海原発の鉄塔は、これまでいつどのような点検を行ったのか。 

 

⑥東電ケーブル火災事故

10月12日に発生した東京電力の地下送電ケーブル火災事故は、ケーブルの経年劣化による絶縁低下が原因で あったと推測されている。ケーブルは 35 年間使用し、年に 1 回の目視点検だけだった。玄海原発のケーブルはどの程度の点検を行っているのか。ケーブルの絶縁低下は起こらないといえるのか。 

 

⑦過酷事故時の運転操作手順書(AOP,EOP,SOP)の開示を求める。 

 

(8)再稼働地元同意と住民説明

9月28日の佐賀県議会原子力特別委員会において、再稼働の地元同意に関する質疑の中で、山元取締役は「九州全体が地元」だと発言した。

①地元である九州全域の住民の理解と同意をどのように得るのか。

②地元同意については唐津市を玄海町と同等の原発立地自治体という立場で扱う必要がある。原発5キロ圏内人 口では8割が唐津市民である。

③伊万里市長、神埼市長が再稼働反対を表明している。これらを踏まえて再稼働をやめるべきではないか。

④佐賀県と玄海町と締結している安全協定について、住民の安全の担保のために「運転停止を含む適切な措置 を講ずるよう求められた時にこれに応じること」を明記すべきではないか。 

 

(9)原子力防災・避難計画

①事故を前提とした原発のために住民は避難を強いられる。加害当事者として10月10日の原子力防災訓練における住民避難について、どのように総括しているのか。

②佐賀県地域防災計画では佐賀平野北縁断層帯や唐津市を横切る城山南断層などで震度7の地震が想定されている。そうした自然災害と原発事故との複合災害について、九電としてどのような具体的な想定をし、避難計画に関与しているのか。

③九電の「緊急時の原子力防災要員」とは、通常、組織的にはどの部署から何名の社員が配置されるように計画されているのか。

④県や自治体が行う原子力事故避難訓練に原子力防災要員を派遣し、原子力防災資機材の貸与その他必要な措置を実施するとあるが、今年度は何をし、どんな協力をしたのか。

⑤緊急事態応急対策等を実施するために、関係機関への原子力防災要員派遣する、原子力災害事後対策として、地域復旧のための関係機関への原子力防災要員派遣を実施するとあるが、その関係機関の要請を待つだけでなく、自主的にはどんなことを考えてどんな派遣人員を準備しているのか。 

 

(10)玄海町、唐津市民の白血病罹患率の高さ

①玄海原発はトリチウムの放出量が突出して大きい。どこかが破損して漏洩しているのではないか。

②玄海町、唐津市民の白血病罹患率の高さは著しく、脅威を感ずる。トリチウムの異常放出量が原因と考えられる。 通常運転で放出する放射能で周辺住民の体に深刻な病変を与える原発は欠陥原発として廃炉にするべきではないか。

③玄海原発周辺で行われた「北部地区住民健診」(1973 年~2010 年)の報告書が玄海町によって破棄されていたことが発覚した。同調査には九電もオブザーバーとして加わっている。調査報告の公開を求める。  


ダウンロード
2016年12月14日 九電宛 要請質問書
玄海原発3・4号機の再稼働に反対します
原発事故の加害当事者になるという重大な責任を自覚してください
20161214九電要請質問書.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 492.7 KB