【玄海原発事故時の避難先自治体へのアンケート調査実施中】

9市民団体でつくる「玄海の避難問題を考える連絡会」は、玄海原発事故時の避難受入先となっている39市町(佐賀県17市町、福岡県16市町、長崎県6市町)に対して、受け入れ時の防護措置などについてアンケート調査を開始しました。昨年の「コロナ下での避難所」に続く第二弾アンケートです。結果がまとまり次第、HPにて公開します。


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20230417避難先自治体アンケート市町長宛鑑文.pdf
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20230417避難先自治体アンケート用紙.pdf
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「玄海地域の緊急時対応の防護措置」

避難先自治体へのアンケート ご協力のお願い

 

2023年4月17日

 

玄海地域の緊急時対応について関係市町長 各位

 

日頃は地域住民の安全のためにご尽力いただき心から感謝申しあげます。

また、原発事故時においての避難先として、様々なご努力をいただき、ありがとうございます。

この手紙は、玄海原発事故時の避難受入先となっている、自治体の皆様にお送りしています(佐賀県17市町、福岡県16市町、長崎県6市町。※内閣府「玄海地域の緊急時対応」2019.1.9 60頁より)。

私たちは、原発事故時の避難計画や再稼働に不安と疑問を持ち、避難元と避難先の自治体の皆様と情報交換などをして、住民が安全に避難が出来るよう要望活動を行っている佐賀県、福岡県他九州の市民の会です。

福島原発事故から12年経ちましたが、多くの住民はふる里に戻ることもできず、廃炉作業も困難を極め、まだ先が見えません。

 

貴所は玄海原発事故時の避難者受入先自治体となっています。原子力災害対策指針(以下指針)では原子力災害対策重点区域(PAZ及びUPZ)の設定に関して、「原子力災害が発生した場合において、放射性物質又は放射線の異常な放出による周辺環境への大きさ、影響が及ぶまでの時間は、異常事態の態様、施設の特性、気象条件、周辺の環境状況、住民居住状況等により異なるため、発生した事態に応じて臨機応変に対処する必要があります。その際、住民等に対する被ばくの防護措置を短期間で効率的に行うためには、あらかじめ異常事態の発生を仮定し、施設の特性等を踏まえて、その影響の及ぶ可能性がある区域を定めた上で、重点的に原子力災害に特有な対策を講じておくことが必要である」とされています。

「さらに原子力災害は、臨機応変な対処が必要であることから防護措置を講じる範囲はPAZ、UPZに限らず、UPZ外(30㎞圏外)においても屋内退避や一時移転の防護措置を講じる事」が指針(※参考)で示されています。安定ヨウ素剤の配布及び服用についても、「UPZ同様に全面緊急事態に至った後、原子力規制委員会が必要性を判断し、自治体が指示を出すため、原則としてその指示に従う」と謳っています。

 

福島原発事故までは、"原発事故は起きない、故に住民が避難することはない"として避難計画はありませんでした。前規制委員長更田氏は「どんなに備えても事故はあると考えるのが基本」、現委員長の山中氏は「原子力に100%の安全はないと言うことを肝に銘じている」と言っています。

事故後(2012.10.31.)制定された原子力災害対策指針は事故前提・被ばく前提、人の命を守る法律ではありません。

 

佐賀県知事は私たちの質問に対し、「県民の安全に配慮していくことが重要(2022.12.22付の回答)。」「具体的な原子力災害の想定はない。最悪の想定を具体的に示すことは困難(2022.02.15付の回答)」と答えています。また、指針には「平時において住民へ情報提供しておく必要がある」となっていることから、佐賀県は公式SNSやホームページ、原子力防災のてびき配布などで周知徹底されていると言いますが、発信側の一方的なやり方で、受ける側住民の状況が全く加味されていません。形だけの情報提供です。被害当事者になる人々に知らされていないのが現状です。

 

東京電力福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質は太平洋を横断して約10日でほぼ地球を一周し、その結果半分以上が海洋に落下したと言われています。放射性物質のうち、特に放射性セシウムは4月までに70~80%が海に落ち、陸地に降ったセシウムは3割程度と推定されると言われています(気象庁気象研究所(茨城県つくば市)などの研究チーム)。

福島第一原子力発電所から40~50㎞程に位置する飯舘村は約6年間にわたり全村避難を強いられました。私たちは、原発事故を玄海原発に置き換えれば、放射能被害は30㎞内で止まるずがないことを危惧しています。これまでの活動で実感できた事は、UPZ外の住民が、玄海原発の事故で避難地域となるかもしれないことを理解している人はほとんどいないということです。

 

避難先自治体としての対応と同時に、地元住民の避難または一時移転の対策と広報が必要です。

UPZ外への対応は「臨機応変」となっていますが、言い換えれば「その時考える」では住民の命とくらしは守れません。他人ごとではすまされません。

 

岸田政権は、フクシマから学び原発に厳しい安全性を課し、そして脱原発に向かうべきところ、1)原発再稼働の加速、2)原発の運転期間の延長、3)「次世代革新炉」の開発・建設などという前のめりの原発推進に舵を切ろうとしています。そういう中で原子力避難政策は、住民にとって最後の砦でなければいけません。

 

以下、「玄海地域の緊急時対応の防護措置」について質問します。

お忙しい中とは思いますが、ご協力の程よろしくお願いいたします。

尚、結果がまとまりましたらご報告致します。同時に記者発表など予定をしておりますので、よろしくお願いいたします。

2週間以内の回答、4月28日(金)位を目処にお送りいただけますと幸いです。

 

玄海の避難問題を考える連絡会:

(構成団体)今を生きる会/玄海原発反対からつ事務所/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米/市民ネットワーク福岡/STOP!新基地建設・福岡/東区から玄海原発の廃炉を考える会