【使用済MOX「300年」問題、政府から事実と異なる回答。プルサーマルの中止を!】

6月21日に行われた政府交渉において、使用済みMOX燃料の発熱量について、資源エネルギー庁の担当者が「使用済ウラン燃料に比べ、使用済MOX燃料は発熱量が高いので、ウランと同じくらいになるのには300年以上かかることは事実。何年かは色々な文献があるかも知れないが、300年以上かかるんだと言うことは事実なんだと思ってございます」と述べた件で、「300年以上」の根拠を質す質問書を提出したところ、2か月近く経ってようやく文書で回答が来ました。
しかし、回答には事実と異なる点が含まれていたため、政府交渉の主催団体としてコメントを作成することとしました。

なぜ誤魔化そうとするのでしょうか?

使用済MOX燃料は、伊方3号機では今年11月、高浜3号機が来年1月早々、4号機も2021年2~3月頃、玄海原発では来年9月には現実のものとして出てくるのです。
回答では、使用済MOX燃料の処理・処分の方策については、なんら目途がたっていないことを認めていますが、このような核のゴミを生み出すプルサーマルは中止すべきです。

佐賀県知事対しても8月14日に、使用済MOXについて「政府への事実確認」と、プルサーマル運転再開中止を求めて要請しました。
引き続き追及していきましょう。


◆6/21政府交渉報告
https://saga-genkai.jimdo.com/2019/06/23/a/
◆8/14佐賀県知事要請
https://saga-genkai.jimdo.com/2019-8-14-a/

 

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使用済MOX燃料に関する資源エネルギー庁の回答とコメント

<質問>
・使用済MOX核燃料の発熱量について、「使用済MOX燃料は使用済みウラン燃料より発熱量が高い…ウランと同じぐらいになるには300年以上かかるというのは事実」という回答だった。この「300年以上」の根拠となった資料を示してください。

 

<回答>
・6月21日の意見交換では、「使用済MOX燃料は発熱量の高さから 300 年近く保管が必要」という趣旨のご指摘があったため、担当者から「使用済MOX燃料の発熱量が、50年冷却した使用済燃料の発熱量と同レベルになるまでに300年かかるとの報道があるのは事実だが、使用済 MOX 燃料は再処理までに300年の冷却が必要ということではなく、処理・処分の方策は引き続き検討していく」という趣旨の回答をさせていただいたものです。
・なお、「300年」について、経産省としての見解ではなく、過去の報道の内容を申し上げたものであることは、7月26日の意見交換でもご説明させていただいております。
・使用済MOX燃料の処理・処分の方策については、引き続き研究開発に取り組みつつ、検討を進めてまいります。

 

<コメント>
6月21日の使用済燃料問題に関する政府交渉の中で問題になった点について、福島みずほ議員事務所から直後に追加質問を出してもらいました。そしてやっと8月13日に、上記回答が経産省・資源エネルギー庁から届きました。この回答には、事実誤認もあるため、若干コメントします。


(1)回答の冒頭に「6月21日の意見交換では、『使用済MOX燃料は発熱量の高さから300年近く保管が必要』という趣旨のご指摘があったため」と書かれています。しかし、これは事実と異なります。市民側から「300年」とは言っていません。
市民は、右図を示して、使用済ウラン燃料を乾式貯蔵所に移すためには燃料プールで15年間冷却する必要があり、これと同等の発熱量になるのは、使用済MOX燃料の場合は100年以上プールでの冷却が必要であることを指摘しました。その際、再処理には触れていません。
これに対して「300年」という発言が資源エネルギー庁の出席者からあったため、追加質問を出したというのが経緯です。


(2)上記回答では、「300年」について「過去の報道の内容を申し上げたものである」とありますが、これも事実とは異なります。
当日のテープ起こしで確認すると、資源エネ庁の出席者は「この表(上記図のこと)は初めて見た。使用済ウラン燃料に比べ、使用済MOX燃料は発熱量が高いので、ウランと同じくらいになるのには300年以上かかることは事実。何年かは色々な文献があるかも知れないが、300年以上かかるんだと言うことは事実なんだと思ってございます」と回答しています。
このように、「過去の報道内容を伝えた」というのも事実とは異なります。


(3)追加質問では、300年の根拠とした資料を提出するように求めましたが、今回の回答では、「経産省としての見解ではなく、過去の報道の内容を申し上げた」としています。「過去の報道」について具体的に示していません。経産省としての見解を明らかにすべきです。


(4)回答内容では、「使用済 MOX 燃料の発熱量が、50年冷却した使用済燃料の発熱量と同レベルになるまでに300年かかる」ことを事実上認めています。使用済ウラン燃料とは比較にならない程に、使用済MOX燃料がやっかいなものであることを示しています。


(5)使用済MOX燃料は、伊方3号機では今年11月、高浜3号機が来年1月早々、4号機も2021年2~3月頃、玄海原発では来年9月には現実のものとして出てきますが、回答では、使用済MOX燃料の処理・処分の方策については、なんら目途がたっていないことを認めています。このような核のゴミを生み出すプルサーマルは中止すべきです。


2019年8月20日
<6月21日政府交渉主催団体>
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/原発さよなら四国ネットワーク/ふるさとを守る高浜・おおいの会/避難計画を案ずる関西連絡会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会/国際環境NGO FoE Japan/原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会
<連絡先>
原子力規制を監視する市民の会
新宿区下宮比町3-12明成ビル302号 TEL 03-5225-7213 090-8116-7155(阪上)
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581