【「胸に手をあてて考えてください」~被ばくを押し付けるな!九州電力本店要請行動】

10月19日、九州電力本店に対して、「九電の経営のために住民を被ばくさせないでください。一刻も早く原発を止めてください」と要請を行いました。
質問として、池辺和弘新社長の無責任な姿勢(「核のごみは国民みんなの責任で」発言など)、太陽光出力制御問題、5キロ圏住民への説明のやり方、北海道地震の教訓、核燃サイクル・使用済み核燃料問題など29項目の質問を挙げ、事前にFAXも送っておきましたが、対応したエネルギー広報グループ長らは質問には回答せず、「ご意見として承りました」「回答日はこれから調整する」というばかりでした。

そもそも私たちは2か月以上前の8月上旬に最低2時間の交渉の場を求めてきましたが、「今回は30分以内、要請書受け取りだけ対応させてもらう。参加者は20人以内に制限する」と一方的に通告されていました。
私たちは「なぜ、私たちがここに来るのか、胸に手をあてて考えてください。みんな心配だからです。命の問題だからです。被害者になるんです。だから、仕事や家事・育児・介護の合間を縫って、ガソリン代使って、あなたたちの会社に出向いているんです。どんだけ右往左往させられていることか!納得できません」と、理不尽な姿勢を改めるよう求めました。
九電の担当者は今回3人全員が交代しましたが、住民と正面から向き合わない姿勢を前任者からそのまま引き継いでいるようでした。
原発は放射能の問題。放射能は命を傷つける。だから原発はもう動かしてはならない!との思いを、まっすぐに伝えていくしかありません。
次回、少なくとも2時間は確保して、交渉の場を持ちます。ぜひご参加ください。


要請・質問書
九電の経営のために住民を被曝させないで
玄海原発3・4号機の稼働中止を求める

 

九州電力株式会社代表取締役社長 池辺和弘様

2018年10月19日
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会/玄海原発反対からつ事務所
原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/原発知っちょる会/風ふくおかの会
戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで
東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会
怒髪天を衝く会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

原発でひとたび事故が起きれば、地球上の放射能被害は逃れられないとわかったのが東京電力福島第一原発事故のはずです。玄海原発も福島第一原発事故並みの大事故が起きない保証は何もありません。福島原発事故から7年半を経過しても、放射能被害は拡大し続け原発事故収束の目途は立っていません。いまだに5万人を超える人たちが、この被害により帰りたくても帰ることができずに避難生活を強いられています。国は、福島県の帰還基準を年20㍉シーベルトと他県の20倍に緩めるという不条理な事をしました。

また、福島第一原発敷地内に溜まり続けている「放射性物質トリチウムを含んだ汚染水」には他の放射性物質が除去しきれないまま残留している事も明らかになったうえに、この汚染水を「希釈して海洋放出するしか選択肢はない」と原子力規制委員会の更田委員長は飯舘村など訪れ(2017年12月14~15日)明らかにしています。公聴会では漁業者をはじめ反対が相次ぎました。
加えて、規制委は3・11事故後、原発事故が起きる可能性を否定せず、5~30キロ圏の住民を避難させる放射線量の基準を毎時500マイクロシーベルト、1週間以内で住民を一時移転させる基準を毎時20マイクロシーベルトと、平常毎時の1万倍、400倍という被曝計画を自治体と住民に押し付けています。もし九電が事故を起こしたら住民は強制被曝させられるのです。

事故が発生しなくても玄海原発から海水中に放出している液体トリチウムの量は、1年あたり平均約75兆ベクレル以上(『原子力施設運転管理年報』2011年4月~2012年3月までの実績)と日本一高い数字となっています。再稼働などもってのほかです。原子炉から作り出される放射能は、全ての命を傷つけます。原発が動いている限り、住民の安全安心は守られません。
九州電力経営理念に掲げてある「地球にやさしいエネルギー」。放射能をつくり出さないネルギーを供給することこそ「子どもたちの未来につなげる大人の務め」です。

九電は住民の不安を無視して、玄海原発3・4号機を再稼働しました。本年10月13日には太陽光発電の出力制御を実施しましたが、原発を止めるべきです。
地震、猛暑、集中豪雨や台風など自然災害が多発する日本列島です。自然災害と原発事故が重なれば住民の命は守れません。さらに、池辺社長の「核のごみは国民みんなの責任」などという無責任な発言に、私たちは怒りを禁じ得ません。

一刻も早く原発を止めてください。九電の経営のために、住民を被曝させないでください。
玄海原発で事故が起きれば被曝前提とされている再稼働であること。そんな深刻な問題を、被害を受ける住民は何も知らされずにいます。

以下の要請・質問項目全てに対し、誠意を持ってわかりやすく回答するよう求めます。2週間以内の回答を求めます。

 

 

【要請事項】
九電の経営のために、住民を被曝させないでください。
玄海原発3・4号機の稼働中止を求めます。


【質問事項】

【1】池辺新社長の姿勢について

6月27日、九州電力社長に池辺和弘氏が新たに就任し、新聞各紙でインタビューが掲載されました。
「原子力の技術は先の世代からお預かりしている技術。技術の伝承は国民全体の責任」「(核のごみについて)国民みんなで力を合わせて努力を」「地中化するので、あとの世代に大きな負担はかけない。石炭灰とかCO2に比べると人間が対応できるから大丈夫」「原子力はランニングコストが安く財務が改善する」
「原子力のほうが(再エネよりも)成熟した技術だ、というのが一般的なサイエンスの理解」
「(事故時に社員の生命に危険が及ぶとすればどうするか?)私が原子炉を止めに行く」(以上、6月28日付朝日新聞)
「二酸化炭素を処理する方が簡単なのか、使用済み核燃料を処分する方が簡単なのか、よく考えた方がいいと思う。今のところ最終処分場が見つからずに苦労しているが、使用済み核燃料の処理に全力を向けて対策を考えた方が現実的」(9月6日、サガテレビ『カチカチプレス』)
・・・・・・など、あまりに無責任で、倫理観の欠如した新社長の言葉に私たちは驚き、怒りを禁じ得ません。
このような企業に、原子力という人類の手に負えない技術を弄ぶことを決して認める事は出来ません。
消費者には安全な商品を売ることになっているのではないですか。九電の代表者としてのこれら発言は、命の犠牲を住民へ押し付けていいと考えているとしか思えません。

①九電の出した核のごみの処分に関して「みんなが努力を」というが、「みんな」とは誰か、なぜ「努力」を押し付けるのか。
②九電の「技術の伝承」を「国民全体の責任」にする意味が分からない。その理由を述べよ。
③10万年先の未来に核の後始末を押し付ける原発を「サイエンスの理解」として「成熟した技術」というが、どういう意味か。
④CO2よりも使用済み核燃料の処理の方が簡単だという理由。使用済み核燃料の処分と無害化されるまでの期間、総費用はいくらか。誰が負担するのか。
⑤原発のコストは、発電に直接かかるコストだけを挙げて「安い」と言うのは明らかに誤りである。玄海原発で放射能が大量に放出する大事故は想定しているのか。その被害額と事故処理費用はいくらになるか。
⑥事故処理費用(事故収束、損害賠償、除染等)の他にも、バックエンド(廃炉、再処理、放射性廃棄物処分費用)や揚水発電にかかる費用、原発にかかる研究開発費や自治体への交付金など、原発に関連するすべてのコストはいくらで、誰が負担するのか。これらをなぜ「原発のコスト」に入れないのか。


【2】北海道胆振地震と原発

北海道胆振地震では北海道全域で停電(ブラックアウト)が起きました。泊原発は震度2の揺れでしたが、3系統すべての送電線が使えなくなり、9時間半にわたり外部電源が喪失し、1527体の核燃料が貯蔵されている燃料プールを非常用電源で冷やすこととなりました。原子炉は運転停止中でしたが、もし稼働していていたら、東京電力福島第一原発のように炉心溶融し、放射能が大量に放出されるような深刻な事態となっていたかもしれません。佐賀県議会でも発言があったように「泊原発が動いていたらブラックアウトは避けられた」という言説が世間で流布されていますが、原発の危険性をあまりにも無視した暴論です。

⑦外部電源喪失時に、原子炉が動いている時と、動いていない時とで事故対応はどう違うのか。福島では炉心溶融を止められず、冷却に使った放射能汚染水がどんどんたまり続け、これからは「海洋放水」が強行されようとしている。同様のことが玄海原発で起きた場合、放射能汚染水をどう処理するつもりか。
⑧玄海原発の送電鉄塔が倒壊する想定はしているのか。送電鉄塔の地震やテロ対策はどのようなものか。国の審査は受けているか。


【3】玄海原子力総合事務所の5キロ圏戸別訪問

⑨5キロ圏だけに限定している理由。
⑩住民に対して、何を配布し、どのように説明しているのか。放射能被曝の危険性を伝えているか。
⑪総合事務所はその目的にもあるように、住民の「安心」のために、住民の質問に対してすべて誠実に対応してくれるのか。


【4】太陽光出力制御問題

⑫10月13日、九州電力は「電力の供給力が余るので、需給バランスが崩れて大規模停電が起きないようにするため」として、太陽光発電の出力制御を行った。43万kwという規模は、玄海原発1基を止めれば済む話である。玄海原発は7年半の間、止まっていた。九州全体でも2011年12月~2015年8月まで原発ゼロだった。今年5月には太陽光発電だけで8割の供給をまかなった。そもそも、原発を再稼働する必要などどこにもない。
放射能を生み出す原発をなぜ止めないのか。


【5】使用済み核燃料・乾式貯蔵・核燃料サイクル・プルサーマル

<使用済み核燃料、使用済みMOX燃料、乾式貯蔵施設>
⑬使用済み燃料プールには管理容量2271体に対して、1823体が貯蔵され、空き容量は448体だと言う。前回交渉でも「4~5サイクル」の「5~7年」で満杯になると言われたが、号機別の貯蔵量、管理容量、満杯までの容量はいくらか。
⑭廃炉した1号機の使用済み燃料プールには燃料がどれだけ貯蔵されていて、いつまでにどう処理するのか。あわせて、1号機解体作業で出される金属、コンクリートなどの量はいくらか。
⑮乾式貯蔵施設を原発敷地内に建設する方針を社長は表明した。敷地のどこに建設しようとしているのか。現在、原発に隣接する12haの敷地で「重大事故時の資材置き場」等として用地整備を進めているが、乾式貯蔵施設建設等に用途変更することはないのか。
⑯乾式貯蔵施設に、他社の使用済み核燃料を持ち込むことはないのか。
⑰MOX燃料の在庫状況と、新規MOX燃料の製造予定と製造元はどうなっているのか。
⑱3号機で使用しているMOX燃料は、いつ使用済みMOX燃料となるか。また、それは玄海原発敷地に何年置くのか?この件について何度も聞いているが、「当面の間」という回答では納得できない。
⑲使用済みMOX燃料の再処理を実現している国はあるか。
⑳使用済みMOX燃料の搬出先とされている「第二再処理工場」は現在建設の目処もまったく立っていない。完成しなければ、使用済みMOX燃料をどうするつもりか。
㉑使用済みMOX燃料の再処理に関する積立金は、これまでどういう名目で、毎年いくらずつ積み立ててきたか。2016年に積み立てをやめた理由は何か。

 

<核燃サイクル・プルサーマル>
㉒九州電力はプルトニウムを、玄海、六ケ所、海外等でいくら保有しているか。
㉓経産省は他原発の保有するプルトニウムを、プルサーマルを実施している九電などに燃やすよう検討を指示したことが明らかになっている。具体的にどのような指示があったのか。
㉔玄海町長が4号機でのプルサーマル実施について言及したが、社内で検討をしているのか。
㉕核燃料サイクルは破綻している。六ケ所再処理工場にある使用済み核燃料は玄海に戻ってくるが、どう処理するのか。
㉖どうなれば、社の判断として一連の核燃料サイクル事業から撤退するか。

<佐賀県議会への九電意見書「財政需要の抑制に努めて」の撤回を>
㉗佐賀県が来年度から玄海原発の使用済み核燃料への課税を始めるにあたり9月県議会に提出された条例案に対して、「地方税法に基づく意見」として九州電力は意見書を提出した。その中で、九電は県に対して、「財政需要の拡大抑制に努めて」「県民の皆様に積極的な広報を」と求めた。核燃料税は放射能を取り扱う危険な原発の安全対策や防災・避難対策など、「原発がなければ生じない財政需要」(県税政課)である。安全対策や防災対策に加えて、事故時の賠償費用、10万年の管理が必要な核のごみの処理費用等の負担、そして、放射能被曝という犠牲を一方的に住民に押し付ける加害当事者が、被害当事者に対してこのように言うのは筋違い甚だしいものであり、私たちは怒りを禁じえない。
意見書の該当部分の撤回を求める。


【6】廃棄物処理建屋の火事

㉘9月27日、玄海原発3・4号機原子炉建屋に隣接する廃棄物処理建屋で煙が発生した。作業服の洗濯排水など低レベル放射性廃棄物を処理(廃液とセメントを混ぜて固める)する準備をしていたところ、機械とモーターをつなぐベルトが切れたという。「作業員の被曝や外部への放射性物質の流出はない」と報道されたが、現場の放射線の数値はいくらだったか。
㉙日常的に出される放射性廃棄物の処分方法や搬出先、処理量(1年あたりの量と40年分の総量)はいくらか。

 

ダウンロード
2018年10月19日九電宛 要請質問書
【要請事項】九電の経営のために、住民を被曝させないでください。
玄海原発3・4号機の稼働中止を求めます。
20181019九電要請質問●.pdf
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