【第12回“12.2 反プルサーマルの日”みんなで歩く 玄海町!町長要請&ポスティング報告】

2009年12月2日は、玄海3号機で日本最初のプルサーマル発電が始まった日です。

当時の古川佐賀県知事は住民の理解は得られたとして、科学者間でも意見が分かれている中、強行に進められました。現在20体のMOX燃料を含む3号機プルサーマルが運転されています。2020年11月には16体の使用済みMOXが取り出されて貯蔵プールに保管されています。

 

不安を抱える私たちは決して理解も納得もしていないと、毎年12月2日、この日に行動に取り組んできました。今年で12回目です。 

 

9時半に玄海町長に要請書「貴職の責任として 住民と未来の人々の命を守るため 玄海原発を止めよ」を提出しました。場所は、玄海町役場庁舎内に空き会議室がないということで、エレベーターのない隣の商工ビルになり、足の悪い人には大変でした。

今回も町長が出てくることはありませんでした。今後決定権を持つ町長だからこそ、住民に対し誠意を持って直接対応することを口頭で要請しました。

地元玄海町のAさんは、原発不正マネー100万円受領問題が不起訴になったことについて、「町民一人として悔しい。町長には説明責任がある。出てきて欲しい」と訴えました。

また、近頃の玄海原発の相次ぐ火災や、つい2日前に起きた3号機「ヨウ素漏れ」に対して、町の対応の甘さを指摘し、町の対応が他県、他市町村の被害に繋がるがゆえに、九電に厳しく原因追求を行なうよう求めました。

 

10時から各班に分かれて、641世帯にチラシ個別配布しました。

曇り空で気温も低かったけれど、海の見える山手の集落は景色も良く坂道の上がり下がりで身体も気持ちも暖かくなりました。

終了後は「玄海原発反対!からつ事務所」にて交流会をしました。

チラシ戸別配布は続けていきます。

ぜひみなさんもご参加ください。

 

◆以下、同じ趣旨で佐賀県知事と九州電力佐賀支店に要請書を提出します。

佐賀県知事  12月16日(木)10:00~佐賀県庁11階6号会議室

九州電力社長     〃   13:30~九電佐賀支店1F玄関フロア


12.2反プルサーマル行動の日 要請書

貴職の責任として 住民と未来の人々の命を守るため 玄海原発を止めよ

2021年12月2日

玄海町長 脇山伸太郎 様

あしたの命を考える会/今を生きる会/風ふくおかの会/玄海原発反対からつ事務所

原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米

戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/脱原発電力労働者九州連絡会議/たんぽぽとりで

怒髪天を衝く会/東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

 2009年12月2日、全国初、MOX燃料を燃やすプルサーマルの運転が、九州電力玄海原発三号機で始まった。

 プルサーマルは使用済みウラン燃料から取り出したプルトニウムと、燃えにくいウランを混ぜたMOX 燃料を原子炉で燃やす。ウラン用の軽水炉でこの燃料を使うために設計変更や改造などされたこともなく、3号機118万?キロワット級の原子炉でのプルサーマルは世界初で危険極まりない。しかも玄海プルサーマル用MOX燃料のプルトニウム濃度は世界の実績よりさらに高く、安全性が十分検証されていない。MOX燃料を使用することで、通常のウラン燃料と比べて、原子炉のブレーキの役割を果たす制御棒の利きが悪くなったり、燃料破損の可能性が高くなるなどの専門家の指摘に対し、明快な回答がされたこともない。また、プルサーマルを実施すると、燃えないプルトニウムや、処理の困難な放射性物質を大量に生み出す。核燃料サイクルが破綻した中、利用も廃棄もできない物質の管理という新たな難問をもたらす。

 使用済MOX燃料は六ヶ所再処理工場では処理できないため運ぶことはできず、第二再処理工場も「もんじゅ」が廃炉となり政府の計画から消えている。使用済MOX燃料は、100年経っても玄海のプールで冷却継続という危険に晒されていく。もうこれ以上、玄海原発の稼働によって核のゴミを増やしてはならない。

 東京電力福島第一原発事故から今年3月で10年が経過したが、復興という言葉は空虚に流れ、無人になった市町が真に蘇ることはあり得ないと避難者の方々も口々に語っている。 この事故より毎年、原子力防災の住民避難訓練が原発より30キロ圏内に位置する市町では繰り返されてきた。しかし、その避難計画の実態について本年3月18日、茨城県の「東海第二原発」運転差止裁判で住民側が勝訴、「実効性ある避難計画や防災体制が整えられておらず、人格権侵害の具体的危険がある」という判断が下された。このような状況は、日本全国の原発に、玄海原発においても同様であり、自然災害と原発事故、さらにコロナウイルス等の感染症パンデミックが重なれば、放射能の重い被ばくからもう逃れることができないことに住民たちは気付き恐怖感を覚えている。

 玄海町長は、関西電力原発マネー不正還流疑惑事件が発覚した時期、2019年12月に自分が不正に受け取った100万円を慌てて返却している。玄海町では原発マネーをめぐって不正や疑惑がこれまでにも数多くあった。カネと引き換えに命の安全を売り渡すなど断じてあってはならない。町長は自分の給与カットだけで逃げることは許されず、自らが関係した金の問題に厳格な説明責任を果たす義務がある。自治体首長の最大の責任は、住民の命と暮らしと財産を守ることである。 以下、わたしたちは、この「反プルサーマル行動の日」に強く要求する。

 

一、使用済みMOX燃料など核のゴミを玄海町にこれ以上増やしてはならない。

貴職は住民のくらしを守る立場だからこそ、プルサーマル炉の玄海原発3号機ならびに4号機の同意を取り消し、直ちに停止するように、国と九州電力に求めること。

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20211202要請プルサーマル日玄海町長★.pdf
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20211202戸別配布チラシ★★.pdf
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◆報道


<参加者感想>

 

●Nさん

早起きは得意ではない。大木町から佐賀市、小城市、多久市、唐津市を通り、玄海町に向かう。2時間の道のりだ。

9時30分より町長への申し入れ。対応は、防災安全課だ。昨年と課長が変わっている。

個人的には役所への申し入れは、気が乗らない。正面から答えないし、公式見解から外さない。無難な対応に終始し、なるべく早く終わろうとする。

私たちは猛毒であるプルトニウムを燃料にするプルサーマル発電を止め、直ちに原発を止めるように玄海町町長に申し入れた。

また地元玄海町のAさんからは原発不正マネー100万円受領問題が不起訴になったことについて意見表明があった。他にも、近頃の玄海原発の相次ぐ火災や、放射能漏れに対しての課長の認識を問い、その甘さを指摘。玄海町の対応が他県、他市町村の被害に繋がるがゆえに、九電に厳しく原因追求を行なうよう求めた。

その後、参加者全員で町内ポスティングに出発する。私は南の方、にあんちゃんのトンネルがある座川内の集落を田口夫妻と手分けして回る。海辺から山に向かい狭い道路が這い登っていく。隣の家と間隔を置いて林の中に家屋が立っている。

昔は段々畑が広がっていたのだろうが、今は放棄されてしまった土地が多そうである。

残っている山あいの民家を訪ねて、おばさん、おじさんにビラを渡す。町役場で原発運転に抗議して来たこと、相次ぐ原発火災や放射能漏れに関し、町役場が九州電力に強く抗議するように申し入れて来た事を話す。みなさんちゃんと話しを聞いてくださり、お疲れ様の挨拶を頂く。隣の家の状況を聞き空き家になっていないか教えてもらう。

1時間程で、集落の真ん中で田口夫妻と再会し、ポスティングが完了した。

曇り空で気温も低かったけれど、海の見える山手の集落は景色も良く坂道の上がり下がりで身体も気持ちも暖かくなりました。

 

●Bさん

・ポスティングはAさん、T、Mの3人で、石田地区の石田、花の木、大園の3エリアを担当しました。各エリア50件ほどで、現地のAさんの運転で丁寧に案内していただき回りました。石田、花の木を回り終え、大園地区に入ったところで12時を過ぎ8件ほど配り終え終了しました。配布残はAさんにレ点のチェックを地図に入れていただきました。

仮屋湾を望む高台地で、牧畜が盛んだったらしく牛舎や牧草地が多いが、原発の影響か酪農を廃業する家も多いらしく廃屋が目立ちました。対面ではチラシは好意的に受け取ってもらいましたが、話し込みはできませんでした。だが、毎年の行動を知っている人が多く、活動は根付いていると思いました。起伏が多く肉体的にはしんどかっですが、体が続く限り現地行動は続けていきたいと思います。

 

●ポスティングで歩いて、気持ちがすっきりした。

●私が袋を手にしていたからだろう。畑に出ていた高齢の女性から「集金の人ですか?」と尋ねられた。「いえ、いえ」と、笑いながら次の家へのPOSに向かった。話しかければよかった、と後から思った。

●要請行動に参加して、町の対応がひどい!と思った。

●前にもこの行動に参加したことがあるが、今回、12・2の意味を初めて知ったような気がした。

 

●この行動を企画してくださったことに感謝します。