【3.11から10年。佐賀県知事要請】

福島原発事故から10年を迎えた3月11日、佐賀県内の反原発団体9団体は山口祥義佐賀県知事本人に対して要請書を各団体それぞれ、一斉に提出しました。

本会も「フクシマの犠牲を受け止め、玄海原発の稼働を止めてください」と要請質問書を提出しました。

 

知事との面会はわずか15分、知事はこれまで繰り返してきた「原発やむを得ない」論を述べるだけでしたが、これまで拒否され続けてきた知事や担当者との対話をあらためて求めたところ、知事は「できる限りそうしたい」とその場で答えました。

知事は九電に対して何度も「ウソをつかないで」と言っていますが、

私たちは九電だけでなく、知事に対して「ウソをつかないで!県民との約束を守ってください!」と言い続けなければなりません。

9団体を代表して「さよなら原発!佐賀連絡会」代表の豊島耕一さんが発言、その時の知事とのやりとりは以下のページにあります。

 

◆さよなら原発!佐賀連絡会

 

https://byenukes-saga.blog.ss-blog.jp/2021-03-14


3.11 要請質問書

フクシマの犠牲を受け止め、玄海原発の稼働を止めてください

2021年3月11日

佐賀県知事 山口祥義様

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 

 10年を経て、東京電力福島第一原発事故は何の解決も見ていない。原発がひとたび事故を起こしたら、取り返しのつかないことになることがフクシマによって証明された。チェルノブイリでわかっていたはずなのに、日本ではあるはずがないとタカをくくっていたせいだろうか。そして、放射能が目に見えないのをいいことに、国も電力会社も原発を止めようとはしない。同様にフクシマは起こったけれど、まさか玄海では重大事故が起こるはずがないとでも思っているのか。玄海原発の再稼働後現在に至るまで様々な事故や問題が起こっているにもかかわらず、何の危機感も持たず稼働を容認し続けている知事の責任は重い。

 さらに原発は事故を起こさなくても環境を破壊し続けているという現実がある。国や電力会社のいうことを鵜?みにしないで真実を認識するべきだ。玄海のプルサーマル運転はほかの原発と比して数段に危険な発電であり、原発とひとくくりに語られるものではない。知事はこれらを知っていながら、「やむを得ず」と言って稼働を容認したのである。

 「やむを得ず」のリスクを負わせる住民への説明がなされるべきだ。これまでも知事への要請質問は幾度となく行ってきたが、住民が納得いく説明はない。以下、再質問になる事項ばかりだが、住民が安心できる回答を求める。

 

【要請事項】

玄海原発3・4号機の稼働をただちに止めること。

 

【質問事項】

(1)佐賀県は昨年11月13日付佐賀新聞意見広告で「地震はいつどこで起こるか分からない」「明日、大地震が起きるかもしれない」と書いている。大地震が玄海原発近くで起きないと言えるか。

(2)玄海原発の基準地震動620ガル以上の地震が原発を襲わないと言えるか。

(3)六ケ所再処理工場は25回完成延期している。再処理工場が稼働しなかったら、玄海原発の留め置かれる使用済み核燃料は増え続けるが、どうするのか。

(4)3号機から出てきた使用済MOX燃料は、いつ、どこへ運び出すと九電から聞いているのか。

(5)玄海原発の使用済み燃料貯蔵プールについて九州電力は「壊れない」と私たちに明言したが、知事はそれを聞いて住民に対して「安心できます」と言えるのか。

(6)一般の産業廃棄物は処分方法が決まっていなければ事業を進めることは許されない。廃炉も含めて原発から出てくる放射性廃棄物の処分方法は何も決まっていないが、なぜ許されるのか。

(7)避難計画では原発5~30キロ圏の住民には放射線量が実測値で高くなってから避難指示が出され、被ばくは必至である。被ばくした県民への責任を知事はどうとるのか。

(8)玄海原発は日常的に放射性物質を自然界に排出している。白血病など病気との因果関係を指摘する専門家もいるが、なぜ県として住民健康調査を行って、データを公開しないのか。

(9)原発についての専門委員会を、原発に反対の立場の専門家も入れて、なぜ恒常的に開催しないのか。

(10)2019年2月5日付知事要請で「回答の際に知事と責任ある担当者との直接対話を求める」と求めたが、知事から「直接対話することは考えていない」という文書回答がきた。納税者である県民との対話をなぜ拒否するのか。撤回を求める。

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20210311知事要請●.pdf
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◆報道