【玄海3号機:事故を「警告」と受け止めず発電再開を容認した知事へ抗議!】

 配管穴あき蒸気漏れ事故を起こした九州電力玄海原発3号機の発電再開(4月18日)を容認した佐賀県知事に対し、19日ただちに抗議の申し入れを行ってきました。
 形だけの「専門家意見聴取会」を行っただけで、市民が要望した慎重な立場の専門家の意見を聞く場は、発電再開後の20日。とんでもありません!
住民の不安、疑問を置き去りにするな!
蒸気漏れ事故が発した警告を無視するな!
発電再開容認と再稼働同意撤回を!
佐賀県に抗議を!
・佐賀県新エネルギー産業課:0952-25-7380
・佐賀県原子力安全対策課:0952-25-7081


  抗議・要請書 

 玄海3号機 配管穴あき蒸気漏れ事故は「警告」

 発電再開を容認した知事の責任は重大

 再稼働同意の撤回を求める

 2018419

 佐賀県知事 山口祥義 様

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/原発知っちょる会

風ふくおかの会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで

 東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

  

 330日に起きた玄海原発3号機の2次系の配管穴あき蒸気漏れ事故で、九州電力は原子炉も止めず、当該配管・外装版と同じ部位の取り換えだけで対策を終えたとして、417日に佐賀県へ報告した。それを受けて、副島副知事は「事業者の責任でしっかり検討されている」と評価し容認したが、住民の不安や疑問はまったく取り除かれていない。今回の事故は「重大事故の警告」である。「専門家意見聴取」を行っただけで発電再開を強行した九州電力に対して、それを容認した山口知事の責任は重大である。以下、抗議するとともに要請する。

 

 

 

【要請事項】

  (1)玄海原発3号機の発電再開容認と再稼働同意を撤回すること

 (2)原発に慎重な立場の専門家らの意見を聴き、それを踏まえて九州電力に申し入れを行うこと

  

【要請趣旨】

  今回の事故で、原発に何万とある配管の危険な現状、ずさんな点検体制が明らかになった。他の配管・機器・設備にも重大事故に至る可能性のある損傷があることが想像される。こうしたことから、私達は原子炉をただちに止め、徹底した原因究明と配管の総点検を行うこと、再稼働の中止などを求めて、42日に九州電力本店と、同意権を持つ佐賀県知事、玄海町長に対して抗議・要請を行った。6日に九電に対して追加質問書を提出し、知事に対しては原発に慎重な立場の専門家の意見も聞くよう要請した。9日には全国の市民団体と共同して、国・原子力規制庁に対して署名を提出し、交渉を行った。12日には九電本店と交渉の場を持った。九電や国に対して、私達は以下のようなことを質問してきた。

 

・ポッカリ開いた配管の穴の内面はどうなっているのか?

・ファイバースコープで撮った穴の内面をなぜ公開しないのか?

・原因は雨水による腐食だけなのか?他の原因は考えられないのか?

・漏れた蒸気の量も分からないのに、なぜ初めから「微小」と言い続けているのか?

・そもそも、なぜ原子炉を止めないのか?

・止めなければ、すべての配管の内面・外面を点検できないのではないか?

・低出力運転を続けることは危険ではないの か?

・長期停止による影響は他の設備にも及んでいるのではないか?

・九電がつくり、国が認めていた保全計画に不備があったのではないか?

・なぜ立ち止まって、「安全」かどうかチェックし直さないのか?

・全国の原発も同じ問題が起こる可能性があるのではないのか?

 

九州電力はこれらの質問に対して、あいまいな回答に終始、肝心な質問には「分からない、確認していない」と繰り返すばかりだった。また、交渉の様子の録画を拒否したが、「民主・自主・公開」という「原子力の大原則」に反する姿勢は大問題である。

 国は質問に対して、「事業者がやること」「事業者の判断」などと「事業者」を繰り返すだけで、自らの指導・監督責任を放棄した。更田豊志規制委員長は今回の事故を「九電が損するだけの話」と言ったが、責任放棄も甚だしい。

 住民に寄り添うべき佐賀県は、原発に慎重な専門家を排除する形で13日に専門家意見聴取会を開いたが、「サビは見つけたら早く取り除くことが大事」「雨に濡れないように屋根を設置したらどうか」「教育をしっかりやってほしい」など「雨水による腐食」に対する初歩的な指摘が出されるだけだった。九電はそれらの対策さえも1年後に先送りした。県自らは九電に対して何も意見を言わず、何一つ求めなかった。

 17日、九電は最終報告を県に提出。副島副知事は「それなりに対応されている」として発電再開を容認、九電・山元春義取締役は「発電再開に向けて、妨げるものはない」と話した。

 そして、翌18日、発電を再開した。

 今回の事故で、「配管穴あき」そのものや、より根本的な原発の「安全性」について、多くの住民や専門家が不安や疑問の声をあげた。佐賀県はそういう声を拾って、九電に要求する立場にある。しかし、県は立ち入り検査もせず、九電からの報告だけで容認したのは、住民の命を預かる自治体としての責任を放棄したも同然である。

 瓜生社長は42日、「7年止めていたのだから、何が起こるか分からない」と言った。事故が起きて放射能被害を一方的に受けるのは私たち住民だ。事故を予測しながら再稼働した九電の責任は重大である。

 それを認めた山口知事の責任も同じように重大である。再稼働は言語道断である。

 放射能への恐怖を住民に押し付けるのは、やめてもらいたい。

  

42日付要請書への回答、319日付の「安全神話リーフレット」問題での要請・質問書への回答も早急に求める。

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20180419発電再開知事抗議●.pdf
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◆報道