【玄海3号機「使用前検査」開始抗議!】

今日11日、原子力規制委員会は玄海3号機の使用前検査を始めました。

“3.11”から6年半を迎えた、この日にです。

安全性の確認も、住民の理解もないままに、再稼働へ向けた準備が強引に進められてきました。

先日の原発避難訓練では、事故が起きれば住民が放射能から安全に逃げられる保証は何らないことがはっきりしました。

フクシマの犠牲を踏みにじり、住民の意思を無視した再稼働を絶対に許すことができません。

私達の抗議の意思を示そうと、九州電力佐賀支店前にて1時間、4人で抗議の街頭宣伝を行いました。


玄海原発3・4号機再稼働 NO !

避難計画では命を守れない

安全性の確認も、住民の理解もなし

 

 "3.11"から6年半を迎えた9月11日、原子力規制委員会は玄海原発3号機再稼働に向けた原発設備の「使用前検査」を開始しました。

 フクシマの犠牲を踏みにじり、住民の意思を無視した再稼働を絶対に許すことができません。

 

●安全性は確認されていない

 4月24日、山口祥義佐賀県知事は「やむを得ない」として再稼働に同意しました。知事が条件としてきた「安全性の確認」と「住民の理解」は、まったく得られないままでの暴挙でした。

 そもそも田中俊一原子力規制委員会委員長は「基準の適合性は見ているが、安全だとは申し上げない」と繰り返し発言しました。「安全」だと国自身が言えず、事故が大前提になっているのです。

 知事が設置した「原子力安全専門部会」は、原発推進の学者を部会長に据え、国の審査書に限定した質疑だけを行い、早々に“お墨付き”を与えておしまいでした。原発に慎重・反対の専門家から指摘されてきた基準地震動、水素爆発・水蒸気爆発の危険、原子炉強度不足など、安全上の重要な問題はほとんど議論もされませんでした。要望の相次いだ公開討論の場も無視されました。

 「火山灰濃度」の規準が100倍に跳ね上がる問題も急浮上し、現状でも基準違反となるのに、九州電力・国・県ともにのらりくらりかわそうとしています。

 

●住民はまったく理解していない

 佐賀5会場、長崎5会場、福岡1会場で開かれた住民説明会ではフクシマの現状、安全対策の不備、避難計画の困難さ、無責任な核のゴミの問題など、住民から原発への不信不安の声が噴出しました。国と九電は一方的な説明に終始し、何一つ正面から答えられず、はぐらかすばかりでした。

 原発30キロ圏の伊万里市、長崎県壱岐市、平戸市、松浦市の4市長は「首長は住民の不安に寄り添うことが責務」として、再稼働に反対を表明しました。松浦市の漁業者は「海の生活を守れ」と7月に海上デモも行いました。嬉野市長と神埼市長も反対、計6市長が反対です。知事は「責任は国へ丸投げ」し、住民理解は間接民主主義を楯に「県議会決議を重く受け止める」として、こうした民意を無視して再稼働に同意したのでした。

 

●避難訓練 「事故になったら逃げられん」

 9月3・4日の玄海原発避難訓練。県内の「避難」訓練参加者はわずか819人、県民総数の0.1%。県北部で震度7の地震発生という複合災害の想定でしたが、訓練では大地震・津波のことはほとんど考慮されていませんでした。

 何よりも、放射能に対する危機意識が著しく欠如していました。避難計画では原発5キロ圏外は高線量の放射能の実測値が避難基準となっており、被ばくが大前提となっています。このことを住民に説明もせず、「放射能は安全です」「逃げないでください」などと随所で強調していました。自然災害と違って、目に見えない放射能から命を守らなくてはなりません。放射能は命を傷つけるからです。

 私達は各地の訓練を見学し、住民から「実際に事故になったら、逃げられん」「どがんもされん」という声を多く聞きました。逃げようにも逃げられない離島住民、無理を強いられる要援護者らを切り捨てるのが避難計画なんだと目の当たりにしました。

 知事は「再稼働と避難計画は一緒に考えるべきではない」として、避難計画が整っていなくても再稼働を容認する姿勢を示してきました。県民の命を預かる知事として、あまりに無責任です。こんな理不尽を押し付けられるのは許されません。

 

●今、再稼働反対の声を!

 一企業が起こした事故のために、住民の命と生活を根こそぎ奪ったのが東京電力福島第一原発の事故です。再び事故が起きたら、命をつなぐ大地、海、川、山が全て放射能で汚染され、取り返しのつかないことになるははっきりしています。

 事故が起きなくても、原発の燃料はわずか3、4年しか使えず、あとは核のゴミとなり何万年先の未来まで押し付けます。これは未来世代への罪です。

 玄海原発は2011年12月25日以来5年9か月、全基止まったままです。原発が無くても生活は変わりませんでした。原発はいらないのです。

 再稼働を絶対に許さず、すべての原発をなくすために、今、ともに声をあげていきましょう!

ダウンロード
20170911使用前検査抗議●.pdf
PDFファイル 174.7 KB