【玄海行政訴訟:「極めて限定的」?想定からはずされる重大事故】

※写真1:行政訴訟だけの今日は、2013年11月13日の提訴時の横断幕を入廷時の先頭に掲げました。
※写真1:行政訴訟だけの今日は、2013年11月13日の提訴時の横断幕を入廷時の先頭に掲げました。

本日3月17日、玄海原発行政訴訟第13回口頭弁論が佐賀地裁で開かれました。

今回陳述された原告準備書面9と被告第12準備書面において、国が福島第一原発事故の教訓を踏まえず、複合的に起きる様々な重大事故について、「極めて限定的」として対策を講じていない実態が浮彫にされました。

・原告準備書面9の陳述内容
九電はメルトダウンした場合には原子炉を冷やすのをある段階であきらめ、格納容器下部の水ため(キャビティ)に水を溜め、そこに溶融炉心をボチョッと落とすことにしています。私たちは、水をちゃんと張ることができるのか、地震で水漏れするのではないか、ということを訴状で訴えていました

地震などにより給水切替がうまくいかず、下部キャビティへの注水がなされなければ、溶融炉心・コンクリート相互作用により、破壊される恐れが生じます。また、下部キャビティに張れた水中に溶融炉心が落下した場合も水蒸気爆発が起こる可能性があるのです。
福島第一原発事故では炉心溶融が発生したという事実を教訓として、同様の重大事故が他の原発でも起こり得るということを前提に、原子炉等規制法は改正されました。その下に設置許可基準規則37条第2項は「重大事故発生時に、原子炉格納容器の破損及び工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を防止するために必要な措置を講じること」を要求しています。冷却材喪失事故は地震によっても発生しうるものであり、溶融炉心落下への対処も複合的な状況を当然想定して措置を講じなければなりません。
しかし、国は「地震による損傷防止については別の条文での要求事項であり、想定しなくてもよい」と主張したのです。
これに対して、私達は今回の準備書面で「国の姿勢は、改正原子炉等規制法の趣旨に真っ向から反するもの」だと反論しました。

また基準地震動問題における「ばらつきの考慮」の必要性を再度訴え、被告が「誤差」「(原告による)経験式の修正」という表現を使って誤ったイメージを与えていることは「無意味な非難」だと糺しました。

・報告集会では、今回の書面の内容と関連して、住民説明会などでも問題となった、玄海原発の事故時の放射性物質の放出量が4.5テラベクレルと想定されている問題、水素爆発や水蒸気爆発の危険性などについて、裁判補佐人の小山英之さん(美浜の会代表)から解説をしていただきました。

 

★毎日、通知が来るか来ないかでドキドキしている「玄海再稼働差止め仮処分決定日」についての通知が、今日もありませんでした。

裁判長は「決定日2週間前に通知する」ということを言明していますので、3月中の「決定」はなさそうです。
住民説明会の様子や世論動向を見ているのでしょうか。

熟慮の上に、理性的な判断を下すことを望みます!

 

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<今後の玄海全基差止・行政訴訟の日程>
5月12日(金)14:00~全基第21回口頭弁論
6月16日(金)14:00~行政第14回口頭弁論
7月28日(金)14:00~全基第22回口頭弁論
9月15日(金)14:00~行政第15回口頭弁論

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■裁判書面

ダウンロード
準備書面9
2017年3月10日 原告提出
20170310玄海行政原告準9.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 206.0 KB
ダウンロード
第12準備書面
2017年3月3日 被告提出
20170303玄海行政被告準12.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 4.0 MB