【放射能による健康被害の想定は?一切語らぬ国に怒り爆発! ~説明会・鳥栖会場報告】

【事故大前提の再稼働。放射能による健康被害の想定は?一切語らぬ国に怒り爆発!

 ~説明会・鳥栖会場報告】

3月3日、再稼働県民説明会の最終回5回目が鳥栖市で開かれました。

玄海原発から県内では一番遠い地域であり、主催者の佐賀県が住民への広報をほとんどやらない中、それでも117人の住民が参加しました。11人からの質問は、今回もすべて再稼働反対でした。

住民の質問に正面から答えない国、九州電力、そして、県民の立場に立たない佐賀県に対して、怒りが爆発しました。

 

東京電力が福島第一原発事故で放出した放射性物質の量が10000テラ(兆)ベクレルだとして、規制基準は100テラベクレル以下を要求し、玄海の事故は4.5テラベクレルに抑えると国と九電が宣伝している問題では、「その被害が具体的にどうなるのか」というシンプルな質問に、規制庁は具体的に何も答えず、会場は紛糾しました。

 

参加者からは生活者としての声が相次ぎました。

「農業をしているが、事故が起きたら生活が破たんする、その危機感で今日は来ている。今日の説明は、自ら基準を決めて、これを守ったから合格ですというだけ。福島の核燃料は取り出せない。近づけない。ロボットは何台も壊れている。100分の1というが、また同じことになっていいのか。自然災害もスケールの大きなものがくるかもしれないし、ひょっとしたら、戦争も。生活する者の身になってほしい。大丈夫というのなら、命をかけて、一筆書いてください」

「命のことを考えてください。地震があるたびに不安です。佐賀は水もきれいだし、空もきれい。おいしい食べ物もいっぱいある。もっと人間のことを思ってください。人間に返ってください!」

 

<詳報:放射能による健康被害を一切語らぬ国。県民に寄り添わない県>

住民)100テラベクレル、4.5テラベクレルの放射能が放出されたらどういう被害が及ぶのか、何人の人がどうなるのか?

規制)規制基準を満たしていると考えている。

住民)どうなるのかを聞いている。そんなこともわからないで言っているのか。

規制)基準に基づいて、機器がどうかという観点で審査しており、福島のようなレベルの大量放出に至る可能性は極めて低くなるということ。

住民)福島で聞いた話を紹介する。29歳のAさんはストレスで毛が全部抜けた。Bさんは高校生の娘にのうほうがみつかった。Cさんは甲状腺摘出手術をした。Dさんは3.11後、体調が悪くて仕事にいけない。・・・放射能がどうか因果関係はわからないが、誰にも被害及ばないといえるのか。

一体なにを審査したのか。放射能被害の問題が一番大事でしょう。機器がどうかという問題じゃない。

福島事故から"学んだ"?何を学んだ?福島の人の声に耳を傾けたのか!

規制)福島原発事故を踏まえて、事故を起こさないように基準を...田中委員長も言うように「安全です」といった途端に「安全神話」になってしまう...

住民)また安全神話をつくっている!どういう健康被害になるか答えてください。

規制)100テラベクレル、4.5テラベクレルは非常に限定された区域内で...

住民)こういうことにも答えられなくて、何しにのこのこ佐賀まで来たんだ。ちゃんと答えて。

規制)基準により、福島のようなレベルの大量放出に至る可能性は極めて低くなる。

住民B)規制委が最後の砦と思ってる。答えられないなら、だれを信じたらいいのか。

規制)今日は県の要請に基づいて、規制基準適合性審査結果の話をしに来ている。県から言われれば答えますが。

会場)副知事!答えて!

副島副知事)(もごもごと)たいへんご心配していただているところだが、放射能被害を規制基準に盛り込んでいるか、それに対するお答えを規制庁ができるか私は把握しかねるので...

住民)放射能被害のこともわからなくて、あなたは責任とれるのか。みんな心配しているんだ。

副知事)多くの方に来ていただいているので、多くの方に意見を聴いて、お答えして...(この後、県は副知事は何もできず)

規制)100分の1の100、さらに小さい4.5テラを下回ることを審査で確認した。田中委員長が言っているように、リスクはゼロではない。安全だといったら神話になる...

100テラを下回る考え方を整理してHPに掲載したいと思います。・・・

 

副知事の閉会挨拶では「住民は全然理解していない」「説明の続きを!」との住民の声が飛び交う中、原稿をただただ読みあげるのが精いっぱいでした。

県民に寄り添って国や九電と立ち向かわない副島副知事の対応が非常に情けなかったです。この方が、知事の下で「原発担当」ということになっていますが、本当に事故が起きた時にも、この人たちの言うことを絶対信じてはならないとますます確信しました。

 

★★★

5回の県民説明会で--

 

・九電と国が住民の命を犠牲にしてでも、経済や江エネルギーを優先しているということが明らかになった。

・九電と国と県が、住民の声にまったく耳を傾けないこと、この酷さと怒りを各地の住民が肌で感じ、共有することができた。

・住民の参加や発言が非常に制限された中だったが、県民は再稼働にまったく理解していない!ということを、九電と国と県に示すことができた。参加していた市町長や議員らもこのことを無視できまい。

・日頃の行動に参加できるのは多くないですが、その背後にはこれだけの人の思いがあるということが誰の目にも明らかになった。私達の要請行動の際に、これは大きなチカラになる。

 

これでただちに止まるわけではありませんが、この無残な説明会の現実を1つの大きな材料、ステップとして、今後にどんどん活かしていけると思います。

再稼働反対の世論づくりは、今まさに進行中です。

 

佐賀県民83万人のうち、説明会に参加できたのは1000人強。佐賀県内で説明の場をさらに要請していきましょう。

福岡県や長崎県でも各地での説明会もなんとしても開催させましょう!