【佐賀県議会原子力特別委員会傍聴記】

佐賀県議会原子力特別委員会が2月8、9日と開かれました。

8日は資源エネルギー庁から原発の「必要性」についてと、原子力規制庁から審査結果について。

今日9日は規制庁と内閣府から原子力防災・避難計画についてと、九州電力から再稼働全般について説明がありました。

昨日の「広く聴く委員会」と説明者が同じで、内容・資料ともに同じものでしたので、説明部分は上の空で聞いていましたが、質疑では今後の追及材料や言質をいくつかは得ることができました。

原発から10キロ圏の地に育った井上祐輔県議は、先日懇談したのですが、その時に伝えた要望事項もかなり汲んで、わがこととして質疑をしてくれました。

以下、やりとりのいくつかを記します。

 

●"1万倍""25万倍"、改悪される基準値

井上県議「避難基準となっている放射線の空間線量率が20マイクロシーベルト、500マイクロシーベルトというのは、日常の数値である0.05マイクロシーベルト400倍、1万倍という数字だ」「食べ物の放射能汚染基準値が、3.11前の実際の測定値と比べて上水で25万倍、根菜類では1万5千倍となっている。これのどこが安全・安心なのか。」

規制庁「確率的影響でいうと、一般に100ミリシーベルトを超えるとガン発生の確率が増えると現状の科学では言われている。100ミリを一つの目安にしている。」「飲食物の制限は内部被ばくを避けるのが何よりも重要。国際的な基準を参考にして、そのほとんどにおいて最も厳しい基準値を設定している。」

県議「基準の改悪ではないか。私たちは被ばくをしたくもないし、させたくもない」

私たちが勉強会でも何度も言ってきた"1万倍"、"25万倍"の数字。向こうの"安全"だという理屈を打ち破るために、もっともっと言っていく必要があります。

 

●田中委員長「安全とは申し上げない」発言

田中委員長の『安全とは申し上げられない』との発言は、昨日の「広く聴く委員会」でも議会でも俎上に上がりましたが、今日もまた論議になりました。

自民党県議は「科学者としての謙虚な姿勢ではないかと思います」と持ち上げていました。事故を起こすと言っているのに、どこが謙虚なんでしょうか!

井上県議の追及に、九電の山元取締役は

「福島のような事故は絶対に起こしてはならないという強い覚悟をもって全社で取り組んでいる。絶対安全という評価はできないが、絶対に起こさないようにがんばるということです」と精神論を繰り返すばかりでした。

 

●「世論調査は別にして」

九電の「戸別訪問」についての自民党県議からの質問に対して山元取締役は

「世論調査では6割が反対、賛成が3割4割ですが、世論調査は別にして、私たちがやらなければならないことをしっかりやりたいと思います」と発言。別にするなよ!

 

●"文書回答"はケースバイケース?

井上県議「九電は丁寧に説明するというが、これまで市民団体が様々に要請してきているが、文書回答がない」

九電「しっかりと内容を確認して検討して、口頭で回答している。文書にするのが必ずしも丁寧な回答とは思わない」

県議「文書で回答してくれといっているのに、まぜ答えないのか」

九電「・・・ケースバイケースということです

県議「ではどういうケースならいいのか、後で示してくれ。誠意ある対応をお願いしたい」

"ケースバイケース"今度、直接質しましょう!

 

●「証拠隠滅」本部長就任=変わらぬ九電の隠ぺい体質

井上県議「仕込み・やらせを2005年、2011年にやった。県民、国民の信頼を失墜させた。丁寧な説明をするというが、これまで失った信頼を回復したのか」

九電「当時、ご迷惑をおかけした。反省して、いろいろ組織を変えたり、風通しのいい組織改革をした。一歩一歩、いい社内運営をできるよう取り組んでいる。再稼働に向けていろんな準備をひとつひとつやってきたが、ずいぶんお叱りも受けてきた。・・・全社をあげてがんばっていきたい」(しどろもどろ)

県議「先日、4月から原子力発電本部長に中村明常務を起用すると発表があった。やらせ調査の過程の中で、証拠隠滅を図った張本人だ。再発防止どころか、これでは信用できない」

九電「先生の言われることに対して、どのようにお答えするか難しいのでありますが、中村の破棄の問題が起こりましたが、本人も会社も苦しんで、また、本人は社会的にもいろいろと反省し、その後、私も彼と一緒に仕事をしているが、原子力のハード面、ソフト面ともにしっかりした考えで、わが社の原子力をひっぱっています。安全に対する考え方もしっかりしている。わが社にとっては、素晴らしい人間であり、リーダーです。原発をしっかり安全に運転してくれるトップだと思っています。」と、証拠隠滅本部長を褒めたたえたのにはあきれました。

一般社会の常識からもはずれた、このような隠ぺい体質の九電をどうして信用することできるでしょうか!

 

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原子力特別委員会は定数12人ですが、今日の出席議員は8人。県民生活に関わる重大なテーマであるにもかかわらず、3分の2の出席率というのは酷いです。職務放棄ではないでしょうか。

傍聴者は、参考人の運転手ら(ネクタイ姿で誰かと思ってたら、終了後すぐに玄関前の車で待機してたので判明)をのぞくと、午前8人、午後4人でした。

たいした議論もしないし、そこで何かが前進するようなものでもありません。

しかし、県庁・県議会の中で圧倒的な少数派ながら奮闘している議員への激励にもなりますし、再稼働反対の世論をつくる上で、私たち自身のまたとない材料にもなります。

「脱原発」の市民や政党関係者にもっともっと足を運んでもらえればと思います。

 

2月21日から始まる定例県議会の一般質問等でも再稼働問題は多く取り上げられるでしょう。

山口知事らがどのような顔をして、どう答弁するのか、ぜひ直接見聞し、それをまわりに広めてほしいと思います。