【安定ヨウ素剤事前配布を求めて150万都市・福岡市に要請・請願!】

佐賀県内全20市町と福岡県内17市町に対して、原発事故の最低限の備えとして安定ヨウ素剤の全住民への事前配布を求める要請行動、最後に残った福岡市に対して市長宛要請書と議会宛請願書を提出してきました。今回、10団体の代表者が連名しての請願書提出となり、15名での行動となりました。

福岡市は玄海原発から37~60キロの距離に位置し、人口150万人が暮らしています。そのうち50キロ圏内の40万人分の安定ヨウ素剤を福岡市民病院一か所に備蓄しています。しかし、これでは事故時に放射能到達前に市民の手元に届き服用するのは困難なので、全市民分の事前配布を求めました。
対応した危機管理課長は、「医師の処方がいる劇薬であり、薬事法上の問題がある。分散備蓄の方法を協議している。」と答えました。しかし、副作用の発生率は0.0001%であり、医師の処方は事前にしっかり行えばいい話です。要請書に書いたとおりです。
「熊本地震を踏まえれば、原発事故との複合災害時に屋内退避もヨウ素剤の事故後の配布も困難なのではないか。計画の見直しはしたのか」と私達が問うと、「基本は国の指針のとおりで、特段見直していない。」と回答。
「『事故が起きたら職員が迅速に配ります』というが、配布の迅速な方法は決まっているのか」と問うと「検討中であり、具体的にはできてない。事故時に、災害対策本部から指示がある」と回答。私達は愕然としました。

9月9日の政府交渉では、国には明確な「服用基準」すら現時点ではないことが明らかになり、そのことも伝えました。国にまかせるわけにいかないなら、住民の命を守るためにできることを最優先にやっていくことが自治体の役割ではないでしょうか。危機意識が欠けていると言わざるを得ません。
「放射能は距離に関係なく私達を襲う。最低限の備えとしての事前配布をお願いしたい」と重ねて伝えました。

請願書は会派「緑と市民ネットワーク」の荒木龍昇議員と森あや子議員に熱心に動いていただき4人が紹介議員となってくれ、無事提出することができました。森議員は今日がちょうど一般質問の日でもあり、安定ヨウ素剤事前配布についての質問もされたところでした。

紹介議員になってくれるよう全会派の議員に働きかける中で、ある議員は「大事な問題だが、事前配布ということでは私達は応じることはできない。請願は通らなければ意味がない」と言われましたが、「事前配布」こそが必要なので、そこは譲れません。その意義こそ議員には知ってほしいのです。
提出後に当面の行動について情報共有したところですが、市民が継続的に動き、知恵と経験を深めながら、運動の力で行政や議会を変えていくしかないとあらためて感じました。


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◆請願10団体
今を生きる会 代表 小林榮子
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 代表 石丸初美
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 共同世話人 野中宏樹
戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会 代表 工藤逸男
レインボープロジェクト 代表 江藤真実
福岡で福島を考える会 代表 吉良文江
原発八女ん会 代表 地頭所美江
特定非営利法人 環境未来センター希望 代表 大中幸子
特定非営利法人 たんぽぽとりで 代表 山中陽子
東区から玄海原発の廃炉を考える会 代表 浅田稔

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※陳情書・要請書はコチラから→
http://saga-genkai.jimdo.com/2016/08/06/a/