8月27日の九電交渉報告です!

 「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」は8月27日、九州電力本店に対して「玄海・川内原発の再稼働に強く反対する要請質問書」を提出し、交渉の場を持ちました。

 質問は前回5月27日までの質疑を踏まえつつ、4点に絞りました。

 

「1.避難に関する事業者責任」

「2.『世界最高水準の安全」と言えるのか」

「3.労働者の被ばくについて」

「4.使用済み核燃料について」。

 

 特に、自治体避難計画に関する質問を今回重視しました。

 なぜなら、今、自治体も、病院・福祉施設なども「原発避難計画」を策定することを強要されていますが、これらはすべて九州電力が原発事業を推進しているにもかかわらず、九電は蚊帳の外にいるからです。加害可能性のある事業者として、責任をどう位置づけ、具体的に何をするのかをはっきりさせなければなりません。私達の質問に対して驚くべき回答が連発しました。以下、ハイライトをお伝えします。


※5月27日の交渉の報告はこちら

自治体避難計画に対して「支援・協力」という言葉は撤回。

 加害当事者性を認めたが、具体的には「何も言えない、公表できない」!


 「九電が『自治体の避難計画に支援・協力する』というのは、加害当事者として当然の責務なのに、他人事のようで表現としておかしいのではないか」と5月交渉時に指摘をしていました。さらに具体的な内容を示せと要請しました。8月6日には川内パブコメ実行委員会の要請行動の際に同じ指摘をしたところ、「ご指摘のとおりなので、訂正する。今後は協力という言葉は使わない」と回答。これに念を押すため、今回も質問したのです。


私達:事故時の責任をどう考えているか。

九電:事故発生の場合、賠償法に基づいて賠償義務を負うという責任がある。

私達:自治体等の避難計画について加害可能性のある当事者の責務としてどのように携わるのか。

九電:避難計画については、実施可能なものは取り組みたい。現時点で具体的なものはない。

私達:前回質問してから3か月経っているが。

九電:検討しているが、中身を言えない。

私達:いつ出来上がるのか、再稼働の前にできるのか。公表すべきだと思わないか。

九電:今はなにも言えない。

私達:社内のどの部署が検討しているのか。

九電:言えない。お断りする。相手もあることであり、外に出せるものはない。

私達:事故対策課のような部署はあるのか。

九電:事故があったら、その時対応は考える。

私達:加害当事者なのに、無責任だ!


 この無責任さ加減に、佐賀新聞記者も、交渉終了後、九電に事実関係を食い下がって質問していました。加害当事者の無責任さをあぶり出して、広く世間に知ってもらうこと獲得目標の1つでしたので、この点で、交渉は成果がありました。


スクリーニング・除染で出た汚染廃棄物については「原因者」として認める。

 しかし、「すべてを回収できない」と開き直り!

 九電7人全員が、東電「無主物」裁判のことをまったく知らない!


 佐賀県知事は8月14日付「避難計画に関する回答書」の中で「スクリーニング・除染等において発生する汚染廃棄物は事故の原因者である事業者の責任で処理してもらう」と回答(下図参照)。たまには、まっとうなことを言うものです(笑)。そこで、九電にこの確認をしました。


私達:佐賀県知事が文書回答で、スクリーニングで発生する汚染水廃棄物「原因者」は電力会社だと指摘していることを認めるか。

九電:原子力の事故が起こった場合、「原因者」であることを認める。知事が処理しろということなので、起点が弊社であるので、知事からの要請として、そのように対応したい。今後どのような対応をしていくのか次回回答する。

私達:(事故が起こった場合の)放射性物質の持ち主は九州電力ですね?

九電:(眼鏡をキラッとさせて)その通りです!放射能を拡散させれば当然弊社の責任です。敷地外も国や自治体の指示を受けながら当社としては対応する。

私達:九電の持ち物である散らばった放射性物質をかき集めますか?全部回収するんですね?

九電:100%回収は物理的にできない。法律に基づき損害賠償を負う損害については賠償する。

私達:全部を回収しないのか?

九電:回収できません。

私達:それなら、そのように地域住民らに「回収できない」と知らせていくべきだ。さもなくば、原発を動かすな!

   ところで東電は拡散した放射性物質を無主物といい、東電のものではないと言ったが、「無主物」って言葉わかりますよね?

九電:(一同、シーン...と顔を見合わせる。グループ長がはじめはうなずいていたが、開き直って)無主物って何ですか?

私達全員:えーっ!!!本当に誰一人知らないの!

私達:8月6日にも課長には直接話したでしょう!その後、何も調べもせず、忘れているのか!無責任すぎる!

   佐賀県とは今後、汚染廃棄物について具体的にどうするのか。

九電:私ども(広報課)には分からないので、考えます。

私達:県と詰めてくれ。私達に言われるまでもなく、加害企業として進んで公表すべきだ。


 ちなみに、前回交渉時も「30キロ圏内で避難を強いられる人は何人か」の質問に九電全員「シーン」となって、ようやく一人が「報道では20数万人と聞いていますが...」と答えました。自分達のことを「報道では」って!加害者当事者意識がまったくないのです。


重大事故時の水蒸気爆発「考えにくいということです」「ゼロではないですね」「考えにくいということです」

 都合の悪いことは考えない。それが「世界最高水準の安全」!


私達:重大事故時に「圧力容器への注水を放棄し、格納容器の下部へ水を溜め、そこに溶融燃料を落とす」というシナリオがあるが、2000数百℃以上の核燃料が溶け落ちるが、その時に水蒸気爆発は起こらないのか?

九電:シミュレーションでは起こらない。

私達:実験はしたのか。

九電:実用炉ではないが、海外の実験事例を規制委に報告している。1つの実験のその中の1部で水蒸気爆発があったが、玄海では、影響を与えるものではないと、クリアになっている。格納容器を壊すような水蒸気爆発には考えにくい。

私達:考えにくいということは、可能性はゼロではないと言うことですね?

九電:いいえ、考えにくいということです。

私達:ゼロではないですね?

九電:(眼鏡をキラッとさせて)考えにくいということです。

私達:だから、考えにくいが、ゼロではないということですね?

九電:(眼鏡をキラッとさせて)考えにくいということです。

私達:都合の悪いことは考えないんですね。それでどうして「世界最高水準の安全」などと言えるのか!


 以上、今回のハイライトでした。

 やりとりの現場でこそ、九電の無責任な言葉や態度(本音)が飛び出します。そこを1つ1つ追及し、世論に訴えていきましょう!

他の部分についても、追って報告していきます。


要請・質問書

玄海原発・川内原発再稼働に強く反対する要請と質問書

2014年8月27日

九州電力株式会社

代表取締役社長  瓜生 道明 様

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 代表 石丸初美

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 共同世話人 野中宏樹

 

 貴社は、二度と福島のような事故を起こさないことを前提に、新規制基準による審査に対応且つ善処しながら再稼働に向けて、一歩一歩進めていきたいと述べております。

しかし、その内容を見ますと重大事故対策などにおいて、汚染水の発生対策と処理問題、基準津波及び基準地震動問題、火山活動の兆候把握時の対処方針についても、九州電力の申請には、方針の具体的な内容が記載されておらず、その妥当性と根拠に私たちは大いに疑問と反論を持っております。特に、玄海原発・川内原発の新規制基準審査に際しては、政府も事業者も口を揃え、「100%安全な原発はない」と認める発言を繰り返しています。

 そして「いざ重大事故時には逃げていただきます」などと言って、国や県はUPZ30km圏内の自治体に避難計画の策定を押し付け、要援護者など弱者対策を病院や施設管理者あるいは近隣住民に丸投げし、責任を転嫁しているのです。

 国際原子力機関(IAEA)が、原発事故時に住民の被曝回避のため対策を取るように促している地域が「緊急防護措置区域(UPZ)」なのですから、避難体制の対策の万全さを九州電力が見過ごすことはできないはずであり、私たちは敢えてこの避難に関する質問を繰り返し問うているのです。故に、避難問題先送り状況を横目で見ながら、事故を起こす加害者となる事業者がただ規制審査さえすり抜ければいいと企む原発再稼働を私たちは断じて容認できません。

私たちはここに、九州に在る玄海・川内の両原発再稼働に強く反対し、無期限に現状の運転停止継続することを要請致します。

 

 

 以下のとおり、これまでの質問を踏まえつつ新たに質問を致しますので、回答ください。

 

<質問事項> 

1)事業者としての責任について

 原発を動かすにあたっては何より安全が優先されるべきだとの市民からの警告に対し、確率的に低いなどを理由に想定しながら対処しなかった為に事故が起きた場合、事業者は加害者として責任を取らなければなりませんが、どんな責任があると思っていますか?(例.8月14日付佐賀県知事「原発事故時の避難計画に関する回答書」の中で、事故等において発生する汚染廃棄物は事故の原因者である事業者の責任で処理してもらうという一項があります)

 自治体や病院・福祉施設などは原発事故避難計画を策定することを強いられていますが、これらに対して貴社は「支援・協力する」と説明してきました。「他人事のようでおかしい」との指摘に対して、8月6日の市民との会合で「訂正する」と発言されました。自治体等の避難計画について加害可能性のある当事者の責務としてどのように携わるのか、お聞かせください。

 

2)「世界最高水準の安全」と言えるのか

 新規制基準適合性審査において「圧力容器への注水を放棄し、格納容器の下部へ水を溜め、そこに溶融燃料を落とす」という手順は、水素爆発や水蒸気爆発の危険性を高めてしまう安全基準を無視した法令違反ではありませんか?また、新規制基準の元では、事故後の反省から「バックフィット」制度に則ることになったはずです。例えば、玄海原発では1号機にある本来使用できない可燃性ケーブルを難燃性ケーブルに交換することなど、新基準に合わないものを遡及すること、遅滞なくバックフィットなぜしないのですか?コストを惜しみ改修工事の長期化を恐れているとすれば、あるまじき姿勢です。回答ください!

 

3)労働者の被ばくについて

 東京電力福島第一原発事故に伴う国直轄の福島県田村市の除染作業で、下請け会社が作業員の健康診断書を偽造し、健康診断を受けさせずに作業をさせていたことがニュースとなっています。被ばくの危険がある労働は詳細な血液検査などの健康診断が義務付けられているとのことです。

 そこで労働者の被ばく問題について伺います。玄海原発で作業員などの被ばく事故が過去に起こったことがありますか?もし、現場でそのような事故が起きたら、どのような手順になっていますか?事故の程度に応じ、処置される救急方法と搬送される病院などをすべて説明してください。

 

4)使用済み核燃料について

 玄海原発を稼働させれば、まもなく使用済み燃料プールは満杯になります。リラッキングに期待して当面を凌ぎ、最終的には中間貯蔵の方法に期待すると前回回答されましたが、その安全管理責任は事業者である九電にあることは間違いありませんか?燃料および使用済み燃料の保管設備の安全性を説明してください。また現在、どのような中間貯蔵の方法を模索し調査しているのでしょうか?

 

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