『本当によかとね?!川内原発再稼働!!パブコメ学習会』報告

8月4日鳥栖会場にて
8月4日鳥栖会場にて

 広島に原爆が投下されてから69回目の祈念の日だった8月6日、『本当によかとね?!川内原発再稼働!!パブコメ学習会』in福岡でした。

 鳥栖、北九州、福岡の3会場で、「400ページ以上になる審査書案...科学的・技術的意見に限る...ってどういうこと!黙っておれん!パブコメだって、なんだって、できることをやるを、今!」と、実行委員会をつくって、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)代表で原子力規制を監視する市民の会メンバーの阪上武さんをお招きして、バタバタと企画した今回の取り組み、ひとまず終了しました。告知はこちら

 

 阪上さんは、市民をなめているかのような規制庁・規制委員会へのツッコミで笑いを誘いながら、ツボ をおさえて、バッサリと解説してくれました。

 技術者や専門家にひけをとらないほどに勉強をしっかりしつつ、東電や、旧保安院、規制庁ともやりやってきたからこそ語れる、ライブ感のあるお話。福島、鹿児島、玄海etc...現場をまわり、原発立地地元のことを肌で感じて知っているからこそ、ここまで情熱をもって行動できるのだろうと思いました。

 この日は学習会終了後、九州電力本店へ、3か所で集めた「原発再稼働やめて!」の願いを込めた短冊(笹の葉と一緒に)と、想いをこめた要請文を手渡しました。

 

パブコメは8月15日までです。

まだの方は、ぜひツイキャス録画(鳥栖会場)をご覧ください→

http://t.co/FC06pTUsn0

 

「パブコメのタネ」、「火山パンフ」、「避難パンフ」等、必読資料です。原子力規制を監視する市民の会からご覧ください!!→

http://www.kiseikanshishimin.net/

 

市民の会へのカンパもお願いします!阪上さんをぜひ各地に招いてみてください!

 

規制庁ページからパブリック・コメントの書き方をご覧くだい→

http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html

 

要請文「川内原子力発電所の再稼働を絶対にしないで下さい」

2014年8月6日

九州電力株式会社

社長 瓜生道明様

九州電力株式会社

会長 貫正義様

バプコメワークショップ実行委員会鳥栖

呼びかけ人 牧瀬昭子

 

川内原子力発電所の再稼働を絶対にしないで下さい

 

 7月17日に、原子力規制委員会は、九州電力川内原発の新規制基準適合性審査に関し、合格通知にあたる審査書案を提示しました。この前日に田中俊一規制委員会委員長は記者会見で「九州電力川内原発の審査を「(安全性は)ほぼ世界レベルに近いと思う」と評価した一方で「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない。」とも述べています。またこの事に同時並行するように安倍晋三首相は「18日夜福岡市内で、貫正義九州電力会長ら九州の財界人と会食し、出席者から九電川内(せんだい)原発(鹿児島県)の早期再稼働を要請された首相は『川内はなんとかしますよ』と応じ、再稼働に前向きな安倍政権の姿勢をより鮮明にした」(7月19日朝日新聞)と報じられています。

 私たちは「3・11」の以前に全く逆戻りしたような嘘の言葉で塗り固められた「安全神話」を復活させ、政財官学などから成る、いわゆる「原子力ムラ」が一体となり原発再稼働へ突き進む状況を絶対に許すことは出来ません。

 私たちは以下の理由から、川内原子力発電所の再稼働に断固反対いたします。

(1) 東京電力福島第一原子力発電所は、事故から3年半を経て、今なお放射能流出が続き、終息するどころか、手の付けようがない状態で、事故の原因も究明されていません。この事故によって多くの人々が故郷を失い、命を奪われ、放射能の危険に命を晒され、苦悩の中におられます。これは東京電力という一企業が引き起こした史上最悪の公害事件です。原子力発電所で一旦過酷事故が起きれば、取り返しのつかない事態を招くことは明らかです。この原点に立つべきです。そもそも、福島の事故の収束もままならず危険な状態が続いており、原因の究明もできないのにも関わらず、「世界最高水準の安全基準」が策定できるはずがありません。この「基準」は自己矛盾を起こしているとしか言えません。田中委員長が「安全だとは言えない」と言っている以上、事故は起きる可能性があるのです。100パーセント安全が確保できない川内原子力発電所を再稼働すべきではありません。

(2) 安倍晋三首相の発言にも見られるように、原子力発電所を再稼働する一番の理由は「経済」です。しかし、私たちは「経済」が「命」に先立つ理由となる事自体を絶対に許容することは出来ません。倫理的に決して許される事ではありません。福井地方裁判所は、2014年5月21日「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と述べて大飯原子力発電所の運転差し止めを命じました。「命」を「経済」の後回しにすることを私たちは絶対に許しません。誰かの命の犠牲に成り立つ電気は要りません。それ故川内原子力発電所の再稼働をしないで下さい。

(3) 川内原子力発電所の審査において、川内原発に多大な影響を与えるであろうとされるカルデラ火山の噴火に関する評価は全く考慮されていません。過去姶良カルデラの大噴火において川内原子力発電所近くまで火砕流が押し寄せたことが分かっています。気象庁の火山噴火予知連格会長である藤井敏嗣・東大名誉教授は「超巨大噴火の時期は予知できない」と指摘しており、予知連副会長の清水洋・九州大学教授も「モニタリングで異常が捉えられたとしても、それが超巨大噴火の前兆なのか判断するのは難しい。」と指摘しています。専門家ですら予知が困難な超巨大噴火の可能性が「100パセーントない」と言い切れない以上、川内原発の再稼働を認める事は絶対に出来ません。また、地震の評価においても、計算式の違いでは九州電力が提出している620ガルを上回る事も指摘されています。「3・11」の地震と津波によって私たちは「想定外」の自然災害がいつでも起こりうることを痛感させられました。「想定外」の自然災害によって事故が起きる可能性を100パーセント否定出来ないのならば、川内原子力発電所は絶対に再稼働すべきではありません。大自然の前でもっと私たちは謙虚になるべきです。

(4) 田中委員長はかねてから「住民避難計画は新規制基準と並ぶ車の両輪」と言ってきました。けれども自治体任せの避難計画は、単なる机上の計算であり、が実行可能とは決して言えません。分けても「災害弱者」と呼ばれる人々が一番に命を守られる計画でなくてはなりませんが、計画の策定は各病院や施設に丸投げで、到底過酷事故が起きたときに対応できる状態ではありません。現に福島の事故においては双葉病院の入院患者の方々が現地に取り残され、45名の方々が命を落とされるという痛ましい出来事が起きています(2011年4月26日毎日新聞報道)。そもそも九州電力が事故を起こすという想定の下に避難計画の策定が必要とされているのです。もしも貴社が再稼働をするというのならば、貴社が責任をもって「100パーセント安全な避難計画」を策定して下さい。

(5) 九州電力は、2005年12月に行われた「プルサーマル公開討論会」、2011年6月に行われた「佐賀県民説明会」においてやらせ行為を行いました。この裏切り行為を私たち市民は忘れておりません。市民を騙してでも原発の運転に前のめりになる貴社を私たちは信じておりません。「再稼働」を語る前に、貴社が市民の信頼を得るに足る企業努力を行い、再生可能エネルギーへと社会をシフトするリーダーカンパニーとなって行かれることを切に願ってやみません。それこそが私たち市民を裏切り続け、騙し続けた貴社の真の償いだと思います。

(6) 今日は奇しくも広島に原爆が投下されてから69回目の祈念の日です。平和利用であろうが、軍事利用であろうが、核と命とは共存できません。どんなに言葉で取り繕おうとも、人口放射能が命を脅かすという点においては寸分の違いもありません。広島、長崎、そして福島を体験し、幾多の人々の痛みの上に立つ私たちは核の技術を手放すときに来ています。これ以上人工放射能のゴミを増やすことも、私たちの後の世代への脅威をいたずらに増やすことでしかありません。私たちの進むべき道は一つしかありません。それは一切の「核」から身を引き、全ての原子力発電所及び核燃料サイクル施設から撤退する事です。これこそが後世のために出来る私たちの、せめてもの、残されたただ一つの道であると私たちは信じております。故に川内原子力発電所を再稼働することに断固反対いたします。速やかに全機廃炉のご決断をしていただきたいと思います。

 

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