原発事故時の避難計画などに関する質問・要望書

玄海原発で事故が起きたら、「避難計画」では佐賀県内30キロ圏の19万人、長崎県51000人、福岡県15000人の合計約26万人がいっせいに避難することになります。

佐賀県内では玄海町、唐津市、伊万里市が30キロ圏で避難元となりますが、佐賀県内その他すべての17市町は「避難先」として受け入れ体制をつくらなければいけないことになっています。

受け入れ体制はできていますか?

安全な避難などできますか?

避難計画は現実的に可能ですか?

あなたの町にも一緒に行きませんか?

 

※玄海原発事故避難対象人口

佐賀県内30キロ圏 189340人(玄海町6726人、唐津市124466人、伊万里市54711人)

長崎県内30キロ圏  50979人(松浦市26832人、平戸市7578人、壱岐市11406人、佐世保市5163人)

福岡県内30キロ圏  15210人(糸島市)

合計       255529人

原発事故時の避難計画などに関する質問・要望書

2014年4月14日

原発事故時の避難計画などに関する質問・要望書

 

佐賀市長 秀島敏行様

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表 石丸初美

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会共同世話人 野中宏樹

 

 福島第一原発事故から3年になりますが、いまだ多くの人々が困難な避難生活を強いられています。原発事故の悲劇を二度と繰り返してはなりません。 

しかし国は、再稼働と避難計画は「車の両輪」としながらも、法的にはリンクしないとして、避難計画の作成は自治体任せで、再稼働に向けて急ピッチで審査を進めています。

 佐賀県は玄海原発30キロ圏内の医療福祉施設の避難計画等を6月末までにまとめるとしていますが、私達は、形だけの避難計画で再稼働の準備ができたとされることを憂慮しています。唐津市からの避難受け入れ先となる佐賀市においても、たくさんの問題点を抱えていることと思いますが、そうした状況の下で、避難受け入れはもちろんのこと、市民の安全が守れるのだろうかと案じています。

 下記のとおり、質問と要請をいたします。

 

【質問事項】

1.避難元の唐津市から何人がどこへ避難することになりますか。唐津市との連絡・相談などは進んでいますか。 

2.避難に何時間かかりますか。車の渋滞などはどのように考慮されていますか。

 

3.要援護者への配慮や福祉避難所等での受け入れは考慮されていますか。 要援護者の人数は把握していますか。

 

4.人と車両等へのスクリーニング・除染の方法などは決まっていますか。広い駐車場が必要となりますが、確保できていますか。

 

5.バスも利用されると思いますが、バス会社との連携は進んでいますか。 

 

6.川が汚染された場合、安全な水の確保・配布方法などは決まっていますか。 

 

7.避難計画では、原発事故と地震・津波などの複合災害は考慮されていますか。

 

8.避難受け入れ期間はどれくらいを想定されていますか。地元住民には周知されていますか。

 

9.福島原発事故では30~50キロ離れた飯舘村も高濃度で汚染されました。佐賀市も放射線管理区域以上の被曝環境にいたる可能性もありますが、放射線量がいくらになったら市民を避難させますか。国や県の指示を待たずに避難指示をしますか。また、避難を判断するために空間放射線量計が必要ですが、住民がいつでもわかる形で、また停電時にも対応できるように設置されていますか。そもそも佐賀市で避難受入れが可能でしょうか。

 

10.玄海原発で事故が起こった場合、プルームの到達は何時間後ですか。プルーム対策として、安定ヨウ素剤の備蓄や配布方法などは検討されていますか。

 

11.避難計画と実際の避難にかかるコストはどのぐらいでしょうか。

 

【要望事項】

1.形だけの避難計画が完成したということのないよう、避難計画の困難点などについて、県に意見を伝え、計画に明記するよう求めてください。 

 

2.避難計画では住民の安全を守ることはできないと表明してください。玄海原発の再稼働に反対してください。 

 

質問書(Wardファイル)はこちら

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20140414佐賀市避難計画質問.docx
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4月14日はまず佐賀市と嬉野市へ行きました!

4月14日、佐賀市への質問の様子
4月14日、佐賀市への質問の様子

玄海原発から50キロ前後の佐賀市は30キロ圏内の唐津市から数千人、同じく40キロ前後の嬉野市も30キロ圏内の伊万里市から15000人の避難者を受け入れることになります。

今日はこちらからの説明と、口頭で若干のやりとりをしましたが、「どこに何人」「スクリーニングはどうするのか」など具体的なことはほとんど決まっていないことが、あらためて明らかになりました。自らの市民の全市避難の可能性について「プルーム(放射能雲)の問題は、国の方針が未確定だからなんとも...」だとか、「県の避難シミュレーションがまだなので」などと、国や県の指示待ちの受け身の姿勢で、あわれなぐらいにとまどっていました。

いやいや、あわれなのは、こんなにあてにならない行政につきあわされ、命を傷つけられてしまうかもしれない住民です!

具体的な数字や問題点を市町村に明らかにさせ、その無茶苦茶な実態を、県や国に、問題点としてつきつけさせましょう!

そして、「実効性ある避難計画」ができない限り、原発を動かしてはならないと、市町村から国に対して言わせましょう。

そうさせることができるのは住民の声と行動です。

2週間以内の文書による回答と話し合いの場の設定を要請してきました。

今回は佐賀県内の「避難受け入れ」全市町をまずまわります。福岡県の市町村でも仲間と連携して、質問・要請行動を進めます。

一緒に行きましょう!

詳細報告はあらためて。

4月14日のNHKの報道

原発避難対策で質問状提出

 

玄海原子力発電所の事故に備える対策をめぐり、原発30キロ圏内の住民の避難先のひとつとなる佐賀市に対し、市民グループが、自力での移動が難しい要援護者の受け入れ態勢や、避難をしてきた人たちの除染の態勢などいついて尋ねる質問書を提出しました。質問書を提出したのは、佐賀市の市民グループ「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」で、メンバー6人が佐賀市役所を訪れ、防災担当者に文書を手渡しました。質問書の中で、市民グループは、玄海原発で事故が起きたときに、原発30キロ圏の唐津市の住民の避難先となる佐賀市に対して、▼自力での移動が難しい要援護者を受け入れるため、避難先となる福祉施設をあらかじめ決めておくなど準備は整っているのかや、▼避難してきた人たちの被ばくの有無を調べるスクリーニングの態勢や被ばくをした人たちや避難に使用した車両などの除染を行う場所や機材は整っているか、など、11項目について文書で回答するよう求めています。これに対し、佐賀市の担当者は「内容を検討し、2週間以内に回答したい」と答えました。この市民グループでは玄海原発30キロ圏外の佐賀県内の17の市と町すべてに対し、今月中に同じ趣旨の質問書を提出することにしているということです。