過酷事故時の責任を問う!九電交渉報告

 2月8日、裁判の会は九州電力本店と交渉を行い、前回9月13日に示した「過酷事故時の責任」に関する質問への回答と意見交換の場を持ちました。遅れましたが、簡単に報告します。
 電気料金の値上げ申請とその意見公聴会に際して「原発再稼働を前提にして」「原発が稼働できないと値上げの連続や電力供給の停止」などと「再稼働」について公然と九電の代表者から表明されるようになったことを遺憾として、今回、交渉を再開し、値上げ問題に関する質問もあらたに加えました。
 九州電力地域共生本部エネルギー広報グループのグループ長ら4人が対応しました。

 ポイントである、九電が過酷事故時にどのような賠償をするかということについて、九電は「福島原発のような事故があった場合、支援機構の枠組みで対応する」と明言しました。
 現在、支援機構は、交付国債を3兆円以上貰い東電に出しています。また各電力会社は負担金を出し合い、九電は毎年約169億円を出しています。国債は国民の負担であり、負担金は電気料です。保険(文科省)に入っていますが、玄海原発全体で1200億円が上限ですが、これも保険料は電気料金からです。結局、事故時の賠償金は、すべて私たち国民の負担ということです。
 国民負担が当たり前であるかのように九電は回答しました。よくものうのうと言えるものです。普通の会社ではありえない経営です。
 東電支援はすでに3.2兆円に達していますが、東電は昨年11月に「賠償額は10兆円を超える可能性がある」として国に費用負担を要求しています。ズルズルと上限なしに国民負担が増えることが明らかになりつつあります。
 一企業が起こした原発事故の責任が問われないまま、避難者などの賠償がないなど賠償基準自体がひどいものである上に(経産省と東電で決めている)、その問題ある賠償をすべて国民負担にするというとんでもないことが横行しています。自分で賠償もできない原発を続けていいわけがありません。
 九電には1か月以内の回答を求めています。

回答者の九州電力地域共生本部エネルギー広報グループ長と課長ら
回答者の九州電力地域共生本部エネルギー広報グループ長と課長ら

今回(2013年2月8日)提出した質問書はこちら

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『原発過酷事故等の責任』及び『「なるほど」と実感して頂くための経営』に対する再質問書 2013年2月8日
20130208九電再質問書.pdf
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前回(2012年9月13日)提出した質問書はこちら

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過酷事故時の責任についての質問書 2012年9月13日
20120911九電質問書.pdf
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