【佐賀県知事へ使用済み核燃料中間貯蔵・高レベル最終処分地の県内設置反対を申し入れ】

本日24日、佐賀県知事と県議会議長に対して「使用済み核燃料貯蔵施設及び高レベル放射性廃棄物の地層処分地の県内建設を認めないこと」を求める申し入れを行いました。

 

10月に原発の対岸数百メートルに位置する唐津市串地区の住民有志が使用済み核燃料中間貯蔵施設誘致の要望書を市に提出したことが発覚。唐津の仲間たちがその日のうちに誘致反対の緊急申し入れを行うなど大騒動となり、要望書は取り下げられました。中間貯蔵施設は再稼働しなければつくる必要がまったくないものです。
「高レベル最終処分場」についても、4月に玄海町長の誘致発言が表に出てから、一旦ひっこめられましたが、公然とあるいは水面下で様々な動きが続いているようです。
核のゴミ問題の解決は第一に再稼働をやめ、危険極まりない核のゴミをこれ以上増やさないこと、「死の灰」の“蛇口”をまず止めることしかありません!
山口知事は核のゴミ問題について態度を明らかにしていませんが、県民の命と暮らしの安全に責任を持とうするなら、中間貯蔵施設や最終処分地についてもきっぱりと自らNO、原発再稼働にもNOと言うべきです。

 


 

使用済み核燃料貯蔵施設県内建設及び
高レベル放射性廃棄物の地層処分について
申し入れ書
2016年11月24日
佐賀県知事  山口祥義様
佐賀県議会議長 中倉政義様
 
【申し入れの要旨】
1、知事及び議会は、使用済み核燃料の再処理後にできる高レベル放射性廃棄物の地層処分を佐賀県内に認めないこと
2、また、使用済み核燃料の中間貯蔵施設(乾式貯蔵施設を含む)の県内設置を認めないこと
 
【申し入れの理由】
一、佐賀県に受け入れるいわれはない
佐賀県は玄海町に4基の原発を受け入れてきました。その前提は、使用済み核燃料については、少なくとも県内におくという約束はしていないということです。原発施設設置許可の法律上も「使用済燃料の処分の方法、搬出の相手先を記載すること」と規定されているにもかかわらず、再処理の委託先は記載されないままでした。
 原発に反対する県民はもとより原発をやむなく受け入れた県民も使用済み核燃料まで県内で受け入れることについては承服しないと思います。
 使用済み核燃料の再処理後にできる高レベル放射性廃棄物についてもこれを受け入れる理由はありません。日本全国の都道府県で高レベル放射性廃棄物の受け入れを表明した知事はおりません。以前問題になった高知県の導入騒動の折には、橋本高知県知事だけでなく、隣接する徳島県の飯泉知事もこれに猛烈に反対し、また両県議会はそれぞれ自民党議員らが主導して全会一致で受け入れ反対の決議までしました。
 佐賀県は、原発を押し付けられた上に、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物まで押し付けられるいわれはありません。
 
二、猛烈な放射能を内包する核廃棄物の処分
1、使用済み核燃料について
原発で1トンの核燃料を使用すれば1トンの核廃棄物が産出され、しかもプルトニウムなど猛烈な放射能が増幅されていて、人類はこれを無害にすることはできません。
 現在、使用済み核燃料は玄海原発のプールに収められどこかに搬出されるあてもありません。あと数年の原発稼働で満杯になる予定です。九州電力は核燃料のラックを数十%隙間を詰め貯蔵量を2倍にするか(リラッキング)、別個に中間貯蔵施設を建設するか悩んでいますが、一昨日22日の福島沖地震による福島第二原発の事故は、使用済み燃料の保管方法に警鐘を鳴らしました。すしずめにするのは非常に危険です。
3号機のリラッキングについては規制委員会に申請中であり、許可されるかもしれません。県はこれを認めない、少なくともプールが満杯になればリラッキングもラック増設も認めない、原発稼働を止めさせる、ということを知事に決断していただきたいと思います。リラッキングは当然事前協議の対象です。
乾式貯蔵施設にしても現在のプールでの水冷式との併用を前提にしたものであり、危険性が増幅するだけであって、しかも青森県の六ケ所村の再処理施設の建設稼働目途が立たない状況では、それが超長期貯蔵→最終処分施設になる可能性が高まっています。
乾式貯蔵施設に使用済み燃料を収容する金属キャスクの耐用年数は50年程度とされており、地震などで被災しなくてもそのままでは極めてもろいと危惧されています。
関西電力でも中間貯蔵施設を模索しているようですが、福井県や京都府にはつくらないと言わざるを得ず、どこも受け入れてくれる状況ではないということです。
 
2、高レベル放射性廃棄物の地層処分について
地層処分というのは、地下深くに埋め捨てるというものです。
日本列島のような火山と活断層で縦横に刻まれ、絶えず動揺している地下では、安全な場所というものは存在しないといわれています。(2012年、日本学術会議『回答』)
その上に、津波や土砂崩れ、洪水などがいたるところで頻発する日本で人間の管理が届かない地下にプルトニウムなどの超危険な放射能を埋め捨てることは海や山に不法投棄するのと同程度に危険であり、近い将来必ず地表の大気や地下水を大規模に汚染することは火を見るよりも明らかだと思います。強烈な放射能を発出するプルトニウムの活火山を私たちの故郷に作り出すことに誰が賛成するでしょうか。
三、これ以上核廃棄物を増やさないために
使用済み核燃料といい高レベル放射性廃棄物といい、これらを貯蔵管理するには何万年という気の遠くなるような長期間が必要であり、これらは私たちの世代では到底解決できず、すべてそのまま、原子力とは何の関係もない未来の世代に全量押し付けることになります。これら放射性物質が無害になるまでには1万世代以上の子孫がかわるがわる負担しなければならないといわれています。私たち一代の栄華のためになぜ後代の人間が苦しみ犠牲にならなければならないのでしょうか。
もうすでに私たちが管理できる範囲と能力を超えています。総量を規制しこれ以上1gの核燃料も燃やさない措置を講ずべきです。
搬出先のない使用済み核燃料の存在は、それ自体で原発設置許可要件違反ですから、再稼働どころか玄海原発は即刻廃炉にするべきで¥す。
 
以上、申し入れの内容について、知事としての姿勢を明らかにしていただきたく、1か月以内の回答を求めます。
<提出者>
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 代表 石丸初美
玄海原発反対からつ事務所 代表 北川浩一
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 共同世話人 野中宏樹
今を生きる会 代表 小林榮子
<賛同団体>
さよなら玄海原発の会・久留米  原発知っちょる会

ダウンロード
2016年11月24日 佐賀県知事宛 申し入れ書
使用済み核燃料貯蔵施設県内建設及び高レベル放射性廃棄物の地層処分について申し入れ書
20161124使用済燃料知事要請.pdf
PDFファイル 257.9 KB

■報道

◆サガテレビ

◆(動画)サガテレビ 反原発団体が知事あてに申し入れ書(2016/11/24 19:02)※当トピックスTOP動画
https://youtu.be/0pU4Sb36ga8


◆佐賀新聞