【「原発はあの山のすぐ向こう。事故になったら、全部だめに」「何かある時は協力するよ」--伊万里ポスティング。住民とふれあう中で、いただいたチカラ】

7月16日、伊万里市民へのチラシ・ポスティングを、原発から一番近い市最北部の波多津地区から始めました。
この日は7人で3つの地区を手分けしてまわりました。住宅がわりとかたまっている所、山道を登って1、2軒、また下って数軒...という所、まちまちでしたが、あわせて500枚ほどを配布してきました。
行動中は雨にも降られず、曇りがちだったので、夏のポスティングとしては無理なくできました。

 

車を止めた港に隣接する「ふれあい広場」。その海の先に見える山の向こう12キロほどのところに玄海原発があります。

そこから原発は見えませんが、その場に立って、3.11福島原発事故のことをちょっと想像しただけで、ぞっとしてしまいます。
再稼働反対を表明した塚部・伊万里市長の出身地でもありますが、市長の思いの根っこが分かった気がしました。

海水を2日間煮詰めて「波浦の塩」として売り出している釜を広場で見せていただきました。職人さんは「事故になったら全部だめになる...」と、とても心配されていました。(塩を味見させてもらって、まろやかでおいしかったので、つい買ってしまいました(^^))

在宅されていた男性の方にお話を伺いました。
「事故が起きたらどこへ避難することになっているかご存知ですか?」
「武雄やろ?」
「(チラシを見せながら)すぐに逃げられますか?」
「逃げられん。計画はあっても実際はね~」


玄海町でのポスティングでは、怖い気持を押し殺しているような方、まわりを気にして声を出せない感じの方が多かった(中には完全拒否する方も)のですが、伊万里ではチラシに見入って、まっすぐ話を聞いていてくれる方が多かったようです。

「市長を応援せんば」という声も多く聞きました。「いい話をしてくれてありがとう」「何かある時は協力するよ」と言ってくださる方も。チラシを何枚も預かってくれたり、店先においてくれたりする方もいました。
ゲートボール休憩中のおじちゃん達。販売所に農産物を持ってきておしゃべりしてるおばちゃん達。伊万里市民とふれあう中で、今後につながる力をいただいた一日となりました。

 

百聞は一見に如かず。私たちがまず、この空気感を肌で感じたい。そして、一人ひとりに伝えていきたい。
できるだけ多くのみなさんにポスティングに参加いただければと願っています。再稼働前の今だからこそ、できることを、ぜひともに進めていきましょう! 


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◆福岡から参加のEさんのレポートです。

博多駅7:17分発かもめに揺られて佐賀駅着8時。
今にも降り出しそうな空の下、車2台で伊万里に向かう。
途中降り出した雨も現地に着くころにはウソのよう。 太陽がギラギラと照りつける!
前日までに佐賀の事務局で用意して貰った資料と地図。 波多津地区の地図を確認して避難チラシと会のパンフ『そいぎ』を各自100部ずつ受け取る。

「ふれあい広場」で出会ったおじさん、おばさんとしばらく話す。 誰も私たちのことを好意的に迎え話を熱心に聞いてくれた。
私:「福岡・佐賀の仲間と来ました。今日は福島からの仲間も一緒です」  「塚部市長の素晴らしい発言、是非みんなで支えて行きたいですよね。私たちも応援しています」
避難のチラシを見ながら少し説明するとだんだんと顔が険しく暗くなった。 「ここは武雄に避難することになっちょるさ」「もうそんときゃ死んでもよか~」

ポスティングしながら途中で出会ったおばあちゃん二人。 「あぁ~市長さん、頑張ったもんなぁ~」「うちらも応援しとるよ!」 「そこのうち(家)にも(チラシ)入れてやって」とチラシを催促された。 「これはうちが貰ったんから…」とチラシを読み始めてくれた。

かわいいマルチーズ犬と戯れるおじいさんを見つけてそばに寄って行って少し話し込んだ。 「かわいいですね~。こんなかわいいペットを置いたまま避難した福島の人の話も聞きますよね。」おじいさんは頷きながら愛犬をナデナデしていた。

屋根に上って作業している男性二人にも 「こんにちは~!暑いですね~」 「玄海原発の再稼働に反対してるんです。塚部市長をみんなで支えましょう!」 「これ、あとで読んでくださいね~」 「よし!そこんとこに置いといてや~」と屋根の上から声が聞こえる。

車で走りだそうとしている女性のそばに駆け寄って話した。 お友達の分もどうぞと3部チラシを差し出すと「貰っていいとね、ありがとう!」 「まぁ~福岡からね?これ今そこで貰ったんやけど一つどうぞ!」とおまんじゅうを頂く。

さらにポスティング続行!玄関の呼び鈴を鳴らしてみると中から初老の男性が… 「こんにちは~」嫌な顔もせずに熱心に話を聞いてくれた男性。 塚部市長の方針に一抹の不安もあるらしい。しかし、市議会で脱原発派のM議員を昔から応援していますと。話題が福島の帰還政策のことになると 「この国の官僚や議員たちの半分でも福島で暮らしてみろ!と言いたい!」 「自分も出来ることは応援したいと思ってる」と。 時間も忘れて長く話し込んでしまった。 「突然なのにいろいろありがとうございました!」 「またご相談させてください」というと「ちょっと待って」と奥に… 「汗を拭くのに使いなさい」と冷たい紙おしぼりをくださった。

仲間からの着信履歴が3回も? ひやーもうこんな時間?
汗が一気に噴き出した。
波多津港「ふれあい広場」にて、直売所の方も一緒に。後ろの山の向こう12キロに原発がある。
波多津港「ふれあい広場」にて、直売所の方も一緒に。後ろの山の向こう12キロに原発がある。

【玄海原発再稼働反対!伊万里市民へのチラシ・ポスティング開始!】

私たちはこれまで、ただただ「普通の生活を守りたい」一心で原発を止めるための行動に取り組んできました。
原発立地地域住民にまだまだ知らされていない事実を伝えなければとの思いで、玄海町民への個別訪問・チラシポスティング活動も行ってきました。

今、玄海原発再稼働が刻一刻と迫る中、市長が「再稼働反対」の意志を表明された伊万里市において、まず、避難計画問題を中心に訴えるチラシのポスティング活動を今後継続して行うこととしました。首長の姿勢を支えられるかどうかは住民にかかっています。
原発30キロ圏の唐津市や福岡県糸島市、またそれ以外の地域(佐賀市や福岡市など)でも、自分たちの住んでいるそれぞれの地域でチラシを撒いて、一人でも多くの住民に伝え広めていただければと思います。

今後、毎週末にできるだけ実施する予定です。
みなさん、ぜひご参加ください!!
次回は7月24日(日)です。

以降の日時はあらためてお知らせしますが、各々みなさんのご都合のよい日時に、いつでも進めていただければと思います。
チラシと地図はこちらで用意しておきます。


伊万里市は人口56000人、23000世帯、190地区ありますが、無理なくやっていきましょう。
「○日に一緒に行けるよ」「○日に友達と一緒にできるよ」「自分の町で配布したい!」という方、ご連絡をください。

※暑い中での屋外の活動です。水分補給、適度な休憩を欠かさずにお願いします。


ダウンロード
2016年7月 避難チラシ
玄海原発の事故のために、家やふるさとを捨てて逃げられますか?原発は放射能の問題です。
201607避難チラシ.pdf
PDFファイル 1.2 MB

■報道

◆西日本新聞(2016年7月17日)


◆伊万里ケーブルテレビ

7月16日の伊万里ポスティングの様子を、地元の伊万里ケーブルテレビがニュースで報道してくれました。


■関連動画

◆伊万里ケーブルテレビ

伊万里市長は7月21日の伊万里ケーブルテレビのインタビューの中で、ますます鮮明に原発そのものへの反対の意志表明をされました。
私たち市民の思いとまったく一緒です。


■追記(7月26日)

【今日も伊万里ポスティング】
本日は福岡・宗像の仲間が3時間近くかけて伊万里まで駆けつけてくれ、4人で夕刻にチラシ・ポスティング(3回目)してきました。
今日も住民のみなさんから「武雄に逃げるというのは聞いとるばってん、逃げられん」などの、原発に対する不安な気持ちをあれこれ聞きました。
市長発言に、私たちのチラシのことも話題の材料になって、「原発いらない」という声があちこちで高まってくるように地道に続けていきます。
一緒にポスティングに行きませんか?
※写真は今日まわった先々。どこにでもある、美しいふるさとの風景。